- 新窓販国債と個人向け国債の違い
⇒買える人・購入単位・最低金利の保証など9項目比較
⇒中途換金時に元本がどうなるか──金利と債券価格が逆に動く理由 - 新窓販国債10年と個人向け国債変動10年ならどっち?
- 100万円で受け取る利子の差──2026年9月募集分の条件で比較シミュレーション
- 新窓販国債は人気?個人向け国債とシェアを比較
- 新窓販国債をおすすめする人・個人向け国債をおすすめする人

\新窓販国債と個人向け国債、どちらを選ぶか迷ったら/
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新窓販国債と個人向け国債の違いは?
新窓販国債と個人向け国債は、どちらも国が発行する国債ですが、満期前に現金化する方法がまったく違います。個人向け国債は発行から1年経てば国が額面で買い取ってくれますが、新窓販国債は市場で売ることになるため、そのときの価格次第で元本を下回ることがあります。表示されている利率が高いことだけを理由に選ぶと、想定していなかった損失につながる可能性があります。まずは下の比較表で、どこが違うのかを確認してください。
「新窓販国債」は「しんまどはんこくさい」と読みます。正式には新型窓口販売方式による国債で、市場で取引されているものと同じ利付国債を、証券会社や銀行の窓口で個人が買えるようにした仕組みです。個人向け国債とは別の枠組みで販売されています。
個人向け国債と新窓販国債の比較(2026年9月募集分)
| 項目 | 個人向け国債 | 新窓販国債 |
|---|---|---|
| 買える人 | 個人のみ | 個人・法人・団体 |
| 商品の種類 | 変動10年/固定5年/固定3年 | 10年/5年/2年(すべて固定) |
| 2026年9月募集分の利率 | 1.95%/2.24%/1.96% | 2.7%(応募者利回り2.943%)/公表前/1.7% |
| 購入単位 | 額面1万円から1万円単位 | 額面5万円から5万円単位 |
| 購入価格 | 額面100円につき100円 | 額面100円につき98円16銭(10年・9月募集分) |
| 中途換金の方法 | 発行1年後から国が買い取る | 市場でいつでも売却できる |
| 換金したときの元本 | 額面が戻る | そのときの市場価格 |
| 最低金利の保証 | 年0.05%の下限あり | なし |
| 取扱金融機関 | 874機関 | 562機関 |
買える人と最低金利の保証が違う
個人向け国債を買えるのは個人だけですが、新窓販国債は法人や団体、マンションの管理組合でも購入できます。法人が受け取る利子は、地方税を除いた15.315%分が差し引かれる扱いです。
もうひとつの差が最低金利の保証です。個人向け国債は3タイプすべてに年0.05%の下限がありますが、新窓販国債にはありません。取扱金融機関も874機関に対して562機関で、近所の窓口では扱っていない場合があります。
新窓販国債には変動型がない
個人向け国債は変動10年・固定5年・固定3年、新窓販国債は10年・5年・2年の各3タイプです。年限が似ているため混同されやすいのですが、新窓販国債はすべて固定金利型で変動型がありません。金利の動きに合わせて受け取る利子が変わる商品は、個人向け国債の変動10年だけです。
表面利率と応募者利回りはなぜ違うのか
新窓販国債の発行条件には、「表面利率」と「応募者利回り」という2つの数字が並んでいます。2026年9月募集分の10年債は表面利率が年2.7%、応募者利回りが年2.943%です。
- 表面利率……額面に対して毎年受け取る利子の割合。年2回に分けて支払われます
- 応募者利回り……額面より安く買える分の差益も含めて、満期まで持った場合の年あたりの利回り
9月募集分は額面100円につき98円16銭で買えるので、満期に100円で償還されると1円84銭の差益が出ます。この差益を利子と合わせて年換算したものが応募者利回りです。個人向け国債は額面100円につき100円で買うため、応募者利回りは表面利率と同じになります。
購入単位と、購入時に支払う調整額
購入単位は個人向け国債が額面1万円から1万円単位、新窓販国債は額面5万円から5万円単位(1回の申込みで額面3億円まで)です。
見落としやすいのが、新窓販国債では購入時に「初回の利子の調整額」を支払う点です。9月募集分の10年債は額面100円につき0.8210958円(111日分)。額面100万円分なら購入代金981,600円に加えて約8,211円を支払う計算です。初回の利払日までに経過した利子を先に精算する仕組みで、その分は初回の利子として戻ってきます。
中途換金するときに何が起きるのか
両者の違いのなかで、資産運用を始めたばかりの人にとって最も重要なのがここです。
個人向け国債は国が買い取ってくれる
個人向け国債は、発行から1年が経過すればいつでも中途換金できます。買い取るのは国で、価格は額面です。市場価格の影響を受けないため、元本が減りません。
ただし調整があり、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた金額が差し引かれます。おおまかには「直近1年分の利子を返す」形です。元本そのものは維持されるため、金利が上がっている局面でも損失は出ません。
発行から1年未満は中途換金できません(保有者が亡くなった場合や、災害救助法の適用対象となる大規模な自然災害で被害を受けた場合は例外)。
新窓販国債は市場で売るしかない
新窓販国債には、国が買い取る仕組みがありません。現金化するには市場で売却することになり、売却額はその日の市場価格で決まります。価格が上がっていれば売却益、下がっていれば売却損です。国債そのものは国が元本と利子の支払いに責任を持つ商品ですが、満期を待たずに売る場合は「元本が返ってくる」という前提が成り立ちません。
金利が上がると債券の価格が下がる理由
なぜ金利が上がると価格が下がるのか。仕組みはシンプルです。
表面利率2.7%の国債を持っているとします。その後、新しく発行される国債の表面利率が3.5%になったとしましょう。買う側は同じ値段なら利率の高い新しい国債を選びます。手元の2.7%の国債を売りたければ、値段を下げないと買い手がつきません。これが「金利が上がると債券価格が下がる」という関係です。
財務省の発行条件でも、この動きが確認できます。新窓販国債10年の第383回債は、8月募集分と9月募集分が同じ銘柄です。表面利率はどちらも2.7%で変わりません。それでも募集の価格は変わっています。
新窓販国債10年・第383回債の募集条件(8月分と9月分)
| 募集月 | 銘柄 | 表面利率 | 募集の価格 | 応募者利回り |
|---|---|---|---|---|
| 2026年8月 | 10年・第383回 | 2.7% | 99円32銭 | 2.788% |
| 2026年9月 | 10年・第383回 | 2.7% | 98円16銭 | 2.943% |
1か月で価格が1円16銭下がり、そのぶん利回りが上がりました。同じ債券でも、市場金利が動けば値段が動くということです。これから買う人には有利な変化ですが、8月に99円32銭で買った人が9月に売れば、価格差の分だけ目減りします。
変動10年と新窓販10年、どちらを選ぶか
どちらも満期10年で、迷いやすい組み合わせです。ここで押さえておきたいのが「0.66」という数字です。
変動10年の利率は基準金利の66%
個人向け国債の変動10年は半年ごとに利率が見直され、算式は基準金利×0.66(下限は年0.05%)と決まっています。基準金利には10年固定利付国債の入札で決まった複利利回りが使われます。
2026年9月募集分は基準金利が2.96%だったため、適用利率は2.96%×0.66=1.95%。一方の新窓販国債10年は基準金利にあたる水準をほぼそのまま受け取る形で、応募者利回りが2.943%です。つまり同じ金利環境でも、変動10年は基準金利の66%しか受け取れません。これが1ポイント近い差の理由です。
算式から計算できること
では、変動10年の利率が新窓販10年に並ぶには、基準金利がどこまで上がる必要があるのでしょうか。算式が決まっているので計算できます。
変動10年の適用利率=基準金利×0.66
- 新窓販10年の表面利率2.7%に並ぶ基準金利:2.7 ÷ 0.66 = 約4.09%
- 新窓販10年の応募者利回り2.943%に並ぶ基準金利:2.943 ÷ 0.66 = 約4.46%
この計算は水準の比較を単純化したものです。新窓販国債は額面より安い98円16銭で購入する一方、変動10年は額面100円に対して利率がつきます。また受け取った利子を再投資した場合の効果は考慮していません。
2026年9月1日には、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが3%を突破し、1996年9月以来の水準となりました。それでも、変動10年が新窓販10年に並ぶには基準金利が年4%前後まで上がる必要がある、という計算になります。
「予想する」のではなく「決め切るか任せるか」で考える
「今後金利が上がるか下がるか」を予想して選ぼうとすると行き止まりになります。将来の金利は誰にも断言できません。代わりに、自分で答えられる問いに置き換えます。
問い①:このお金を満期まで一度も動かさないと言い切れるか
言い切れないなら新窓販国債は候補から外れます。中途換金で元本が戻る仕組みがあるのは個人向け国債だけです。
問い②:受け取る利率を「今の水準で決め切りたい」か、「そのときの金利に任せたい」か
決め切りたいなら固定型(新窓販10年、個人向け固定5年・固定3年)、任せたいなら変動10年です。変動10年は利率が低いかわりに、将来の金利を自分で判断しなくてよい商品だと整理できます。
問い③:固定で決め切るなら、期間と換金の必要性で絞る
10年でよく途中換金の必要が絶対にないなら新窓販10年。5年以内にしたい、または万一のときに元本で降りたいなら個人向け固定5年・固定3年、という考え方になります。
100万円で受け取る利子を比べる
2026年9月募集分の条件で、額面100万円あたり1年間に受け取る利子(税引後)を並べます。
額面100万円あたり1年間に受け取る利子(2026年9月募集分・税引後)
| 商品 | 利率(税引前) | 税引後の利率 | 年間の利子(税引後) |
|---|---|---|---|
| 新窓販国債10年 | 2.7% | 2.151495% | 21,515円 |
| 個人向け国債 固定5年 | 2.24% | 1.784944% | 17,849円 |
| 個人向け国債 固定3年 | 1.96% | 1.561826% | 15,618円 |
| 個人向け国債 変動10年 | 1.95% | 1.5538575% | 15,539円 |
変動10年は半年ごとに利率が変わるため、上の金額は初回の適用利率1.95%がそのまま続くと仮定した場合のイメージです。実際の受取額は市場金利の動きによって変わります。
前提条件
- 額面金額100万円(新窓販国債は5万円単位、個人向け国債は1万円単位のため、いずれも購入可能な金額)
- 利率は2026年9月募集分(新窓販国債10年は第383回債、個人向け国債は変動10年第198回債・固定5年第186回債・固定3年第196回債)
- 利子にかかる税金は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+地方税5%)の源泉分離課税。税引後に残る割合は0.79685
- 変動10年は初回の適用利率1.95%が満期まで続くと仮定
① 税引後の利率
税引前の利率に0.79685を掛けた数値です。財務省が発行条件として公表している税引後利率と一致します。
- 新窓販国債10年:2.7% × 0.79685 = 2.151495%
- 個人向け国債 固定5年:2.24% × 0.79685 = 1.784944%
- 個人向け国債 固定3年:1.96% × 0.79685 = 1.561826%
- 個人向け国債 変動10年:1.95% × 0.79685 = 1.5538575%
② 額面100万円あたりの年間の利子(税引後)
額面100万円に①の税引後利率を掛けます。
- 新窓販国債10年:1,000,000円 × 2.151495% = 21,514.95円 → 約21,515円
- 個人向け国債 固定5年:1,000,000円 × 1.784944% = 17,849.44円 → 約17,849円
- 個人向け国債 固定3年:1,000,000円 × 1.561826% = 15,618.26円 → 約15,618円
- 個人向け国債 変動10年:1,000,000円 × 1.5538575% = 15,538.575円 → 約15,539円
③ 新窓販国債10年と変動10年の差
- 1年あたり:21,514.95円 − 15,538.575円 = 5,976.375円 → 約5,976円
- 10年分:5,976.375円 × 10 = 59,763.75円 → 約6万円
④ 新窓販国債10年を額面100万円分買うときの支払額
新窓販国債は額面より安く買える一方、購入時に初回の利子の調整額を支払います。
- 募集の価格:額面100円につき98円16銭 → 1,000,000円 × 98.16 ÷ 100 = 981,600円
- 初回の利子の調整額:額面100円につき0.8210958円 → 1,000,000円 × 0.8210958 ÷ 100 = 8,210.958円 → 約8,211円
- 支払額の合計:981,600円 + 8,211円 = 約989,811円
満期には額面の100万円が償還されるため、募集の価格との差18,400円が別に生じます。調整額は初回の利子として戻ってくる性質のものです。
単純化している点
- 利子は年2回に分けて支払われ、その都度税金が源泉徴収されるため、実際の受取額は上の計算と数円単位で差が出ます
- 新窓販国債10年(第383回債)は発行日が2026年10月9日、償還期限が2036年6月20日で、保有期間は約9年8か月です。上の10年分の試算は差の大きさをつかむための概算です
- 受け取った利子を再投資した場合の効果は考慮していません
- 償還差益や売却損益の税務上の取り扱いは、利子とは別の計算になります
新窓販国債10年と変動10年の差は、年間で約5,976円。10年間で約6万円の差になります。加えて新窓販国債10年には、98円16銭で買って100円で償還される差益もあります。これらを含めた税引後の応募者利回りとして、財務省は年2.385%という数字を公表しています。
利率の差だけを見れば新窓販国債10年が有利です。その差は、途中で降りられないことと、金利がさらに上がっても追随しないことの引き換えだと理解しておく必要があります。
なお表の「税引後」は、利子に対して20.315%の税金が源泉徴収されたあとの金額です。新窓販国債で法人が受け取る利子については、地方税を除いた15.315%分が差し引かれる扱いになります。
新窓販国債は人気ですか?実際に買われているのはどちらか
財務省は毎月の発行額を公表しています。発行額は募集期間中に応募のあった総額なので、そのまま販売実績として読めます。
新窓販国債は2026年1月の250億円から7月の619億円へ、約2.5倍に増えました。とくに6月357億円から7月619億円への伸びが大きく、1か月で約1.7倍です。金利の上昇にともなって関心が高まっていることがうかがえます。
年限別に見ると、2026年1〜7月の合計は10年債が1,306億円、2年債が1,137億円、5年債が383億円。利率の高い10年債に資金が向かっています。
ただ、割合で見ると景色が変わります。
2026年1〜7月募集分の販売額は、個人向け国債が5兆6,934億円、新窓販国債が2,827億円。合計5兆9,760億円のうち、個人向け国債が95.3%を占めています。
さらに、前年同期(2025年1〜7月)と比べると、新窓販国債は31%増、個人向け国債は78%増でした。新窓販国債の販売額は増えているものの、個人向け国債の伸びのほうが大きく、シェアは前年同期の6.35%から4.73%に下がっています。
金利が高い商品のほうが選ばれていない、という結果です。多くの人が利率の高さよりも、必要になったときに元本で現金化できることを優先していると考えられます。
出典:財務省|国債等関係諸資料
・個人向け国債の発行額の推移
・新型窓口販売方式による発行額の推移
※個人向け国債の元データは発行年月ベース、新窓販国債は募集年月ベースのため、募集月に揃えて比較しています(個人向け国債の発行日は募集月の翌月中旬)。
個人向け国債をおすすめする人/新窓販国債をおすすめする人
ここまでの違いを、選び方として整理します。出発点は「そのお金をいつ使うか」です。
個人向け国債が向いている人
- 初めて債券を買う人
- 5〜10年で使いみちが決まっている資金を置きたい人
- 1万円単位で少額から試してみたい人
- 途中で換金する可能性が少しでも残っている人
- 将来の金利がどうなるか自分では判断できないと考えている人(変動10年)
新窓販国債が向いている人
- 金利が上がると債券価格が下がる関係を、自分の言葉で説明できる人
- 満期まで一度も換金しないと確定している資金がある人
- 受け取る利率を今の水準で確定させたいと考えている人
- すでに複数の満期を組み合わせて資金の置き場所を設計している人
- 法人や団体、マンションの管理組合など、個人向け国債を買えない立場の人
新窓販国債が難しいのは、仕組みが複雑だからではありません。途中でやめられない商品を、やめずに持ち切れる設計になっているかが問われるからです。
お金を3つに分けて考える
当サイトでは、手元のお金を使う時期で3つに分けて考えることをおすすめしています。
- 短期資金……生活費や急な出費に備えるお金。預金などすぐ動かせる形で置く
- 中期資金……数年内に使う予定があるお金。教育費や住宅の頭金など
- 長期資金……10年以上使う予定がないお金。値動きのある商品に回すのはここだけ
新窓販国債の10年債は長期資金の枠に入れる話です。中期資金を回してしまうと、途中で必要になったときに市場価格で売る選択しか残りません。「10年動かさなくてよいお金」がどれくらいあるかは人によってまったく違うので、まず資金を3つに分けてから考える順序が安全です。
なお、新窓販国債も個人向け国債も毎月募集があります。今月の条件を逃すと二度と買えない商品ではないため、仕組みが理解できていない段階で急いで申し込む必要はありません。
資金の色分けや配分を整理したい場合は、家計とライフプランをまとめて相談できるサービスを使う方法もあります。

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よくある質問
発行元はどちらも国ですが、商品性が異なります。大きな違いは、①新窓販国債は法人や団体も買える、②新窓販国債はすべて固定金利型で変動型がない、③購入単位が1万円単位と5万円単位で違う、④中途換金の方法が「国が買い取る」と「市場で売る」で根本的に違う、⑤個人向け国債には年0.05%の最低金利保証がある、の5点です。
メリットは、同じ時期の個人向け国債より利率が高くなりやすいこと、法人や団体でも買えること、満期を待たずに市場で売却できることです。デメリットは、額面5万円単位からであること、変動金利型がないこと、最低金利の保証がないこと、満期前の売却では価格次第で元本を下回る可能性があることです。
主に価格変動リスクです。市場金利が上がると債券価格は下がるため、満期前に売却すると購入時より受取額が少なくなる場合があります。国が元本と利子の支払いに責任を持つ点は個人向け国債と同じですが、「国が発行しているから元本は安全」という説明は満期まで保有する場合に限った話です。
満期まで保有すれば額面100円につき100円が償還されるため、額面より安く買っていれば差益が出ます。一方で満期前に市場で売却する場合は、そのときの価格次第で購入代金を下回ることがあります。元本割れするかどうかは「いつ売るか」で決まる商品です。
日付では答えられません。損失が出るのは「買ったときより市場金利が高くなっているとき」です。何年後に売れば安全という基準はないため、そもそも売る前提で買う商品ではないという整理になります。
利率だけを比べれば新窓販国債のほうが高くなりやすいものの、どちらが良いかは資金の性質で変わります。まず「そのお金を満期まで一度も動かさないと言い切れるか」を確認し、言い切れない場合は個人向け国債から選ぶ。言い切れる場合に、利率を今の水準で確定させたいのか、そのときの金利に任せたいのかで固定型と変動10年を分ける、という順序が整理しやすいと考えられます。
販売額は増えています。2026年1月の250億円から7月の619億円へ約2.5倍になりました。ただし個人向け国債と合わせた販売額のうち新窓販国債の割合は2026年1〜7月で4.7%で、前年同期の6.35%から下がっています。金額は伸びているものの、選ばれている割合では個人向け国債が圧倒的に多い状況です。
理由としてしばしば挙げられるのが手数料の構造です。個人向け国債は購入時の手数料がかからず、投資信託の信託報酬のような保有中のコストもありません。買う側にコストがないということは、売る側に継続的に入ってくる報酬もないということでもあり、この点が投資信託や保険と比べて積極的に案内されにくい理由だと言われています。また個人向け国債の発行条件は取扱機関によって変わらないと財務省が明記しているため、どの金融機関を選んでも損得は生まれません。この点は別記事で詳しく解説しています。
新窓販国債については1点補足があります。財務省は「金融機関によっては、新型窓口販売方式ではなく、市場での購入等により仕入れ、独自の販売価格を設定して国債を販売している場合があります」としています。窓口で新窓販国債をすすめられた場合は、財務省が公表している募集の価格と同じ条件かどうかを確認しておくと安心です。
