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プルデンシャル生命、販売自粛の開始後にも不適切な金銭受領の疑い─多摩支社の事案を公表

間瀬 明子 間瀬 明子 更新日:
青い背景に並べた4つの黄色いブロックの最後の1つを手が置いている写真─プルデンシャル生命の金銭受領事案に関する記事のヒーロー画像

2026年8月24日、プルデンシャル生命保険は、多摩支社に所属していた営業社員1名が、複数の方に対して「架空の高金利預金」といった事実と異なる説明を行い、不適切に金銭を受領していた疑いのある事案を把握したと公表しました。同社は、この事案が新規契約の販売活動の自粛を開始した2月9日以降の期間にも発生していた可能性があるとしています。

公表された事案の概要

2026年8月24日公表の事案(プルデンシャル生命)

項目 会社が公表した内容
対象者 多摩支社に所属していた営業社員(40代男性)1名
行為の内容 複数の方に対し、架空の高金利預金といった事実と異なる説明を行い、不適切に金銭を受領していた疑い
発生時期 新規契約の販売活動の自粛を開始した2月9日以降の期間にも発生していた可能性がある
被害の規模 被害件数・被害額を含めた全容は現時点で判明しておらず、調査中
申し出の状況 お客さま補償委員会にも申し出が寄せられている

問題になっているのは保険商品の販売ではなく、保険とは無関係の金銭のやり取りです。1月に公表された一連の金銭不祥事も、社員個人による金銭の借り入れや、社内で認められていない投資商品への勧誘が中心でした。

焦点は「自粛開始後」という時期

新規契約の販売活動の自粛は、2月4日に決定・公表され、2月9日に始まりました。当初は90日間、4月22日に180日間の延長が決まり、現在も続いています。この期間は営業を止めるためのものではなく、再発防止策を実行するために設定されたものです。

自粛期間中に会社が進めているとした再発防止策(公表資料より)
  • 新契約業績に強く連動した営業報酬制度の見直し(基本保証給の導入など)
  • 定期面談の実施など、日常の行動管理の強化
  • 4,000名以上のすべての営業社員を対象としたガバナンス研修
  • お客さま宛てレターの送付などによる、営業社員の健全性の確認
  • 相談ルートを複線化する「カスタマーサポートパートナー制度」の新設

会社は今回の公表で、「自粛期間中にこのような疑いのある事案が発生したことについて、大変重く受け止めております」としています。自粛期間中に問題が明らかになったのは初めてではなく、7月には、自粛期間中の3月に退職した元営業社員が顧客約600人分の情報を持ち出していた疑いが報じられています。

会社は情報提供を呼びかけ

被害の全容が判明していない段階での公表について、会社は、当該営業社員がすでに亡くなっており事実確認に制約が生じる可能性があるため、心当たりのある方や関係者から広く情報を寄せてもらう必要があると判断したと説明しています。呼びかけの対象は次の経験がある人です。

会社が「連絡してほしい」としている経験
  • 今回の事案について思い当たることがある
  • 社員または元社員から、保険契約とは関係のない投資勧誘を受けた
  • 社員または元社員から、資産運用の勧誘を受けた
  • 社員または元社員から、個人名義口座への送金依頼その他これらに類する行為を受けた

問い合わせ窓口(2026年8月24日公表資料より)

窓口 電話番号 受付時間
プルデンシャル生命 カスタマーサービスセンター 0120-810740(通話料無料) 平日9:00〜17:30、土曜9:00〜17:00(日曜・祝休日・年末年始は休業)
お客さま補償委員会 特設問い合わせ窓口 0120-473-160
81-45-522-8209(海外から・通話料有料)
平日9:00〜18:00、土曜9:00〜17:00(日本時間)

お客さま補償委員会は、会社および持株会社から独立した第三者の専門家で構成され、補償の要否を会社とは別に判断します。公式サイトでは、金額の大小にかかわらず申し出てほしいと呼びかけられています。

契約者・元契約者が確認しておきたいこと

手口は1月以降に公表されてきたものと共通しています。過去に担当者と金銭のやり取りがあった場合は、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。

確認したい4つのポイント
  • 保険料は会社の指定口座やクレジットカードから引き落とされているか(担当者個人の名義口座への振込は、保険料の払い込みではない
  • 「高金利の預金」「特別な運用」など、保険証券や社内書類のない話を持ちかけられていないか
  • 振込記録、やり取りの記録、渡された資料が残っていないか(補償の審査では事実確認の資料が重視される)
  • すでに(元)社員から返金を受けている場合、会社の補償と二重には受け取れない
既存の契約と保険金の支払いについて

会社は、自粛は新規契約に関する措置であり、既存の契約・保障内容・保険金の支払いはこれまでどおり継続すると公表しています。不安からの解約は、解約返還金の元本割れや、年齢・健康状態を理由に他社で入り直せなくなるリスクを伴います。

これまでの経緯

プルデンシャル生命をめぐる主な経緯(2026年1月〜8月)

時期 主な出来事
2026年1月16日 1991〜2025年に社員・元社員が顧客498名から約30.8億円を不適切に受領していたと公表。社長が引責辞任へ
2026年2月4日 新規契約の販売活動を90日間自粛すると発表(開始は2月9日)
2026年2月10日 独立した第三者による調査委員会(のちの社外特別調査委員会)と、お客さま補償委員会の設置を公表
2026年4月22日 自粛期間を180日間延長すると発表(通算で11月上旬まで)
2026年5月26日 補償のための特別損失を約55億円計上(当初公表の約31億円から拡大)
2026年7月7日 自粛期間中の3月に退職した元営業社員が、顧客約600人分の情報を無断で持ち出していた疑いが報じられる
2026年7月24日 グループ計447名・24.2億円の被害を認定したと公表(7月8日時点)。審査は継続中
2026年8月24日 多摩支社の営業社員による不適切な金銭受領の疑いを公表。自粛開始後の期間にも発生していた可能性があるとし、情報提供を呼びかけ

編集部の視点

今回は発生した時期が論点になる事案です。会社は同じ期間に全営業社員への研修や顧客宛てレターによる確認を進めていたと公表していました。それでも把握できていなかった行為が、顧客側の申し出から浮かび上がったことになります。

契約者が確認すべきことは限られています。既存の契約や保険金の支払いに直接の影響はなく、要点は担当者と交わした「保険料以外のお金」があったかどうかの一点です。心当たりがあれば金額を問わず窓口へ、なければ報道のたびに契約を見直す必要はありません。

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今回の事案は保険商品そのものの問題ではなく、既存の契約に直接の影響はありません。それでも不安が残るなら、複数の保険会社を扱う保険見直し本舗で、今の契約を無料でセカンドオピニオンできます。
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間瀬 明子

間瀬 明子 金融・保険ライター

日本保険仲立人協会の登録を受けた元保険ブローカーで、日商簿記2級保持者。総合商社の保険代理店営業として3年勤務。大型プロジェクトのリスクコンサルティングを請け負い、年間120契約以上の金融・保険商品を提案・仲介してきました。比較が難しい保険商品を様々な角度から分析してわかりやすく解説していきます。株式会社イードが運営するお金の専門メディア『マネー達人』に寄稿もしています。スマ子のアカウントでX運用中。

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