金融保険のプロ190名が入っている保険は?保険加入パターンを詳しく公開
スマートマネーライフ編集部は、金融関連の難関資格を保有する190名(以下、金融のプロ)を対象に、保険に関するアンケートを実施。
金融プロはどんな種類の保険に入っているのか?回答者の保険事情を徹底的にヒアリングし分析しました。
生活費の高騰が続く昨今、保険見直しをして無駄な保険料を削ることは固定費の節約につながります。金融のプロが実際に入っている保険を、ぜひ参考にしてください。
金融・保険プロが入っている保険:家族構成別加入パターン紹介
私達に家計や資産運用やアドバイスをくれる金融のプロが「何の保険に入っているのか」はいちばん気になるところですが、 スマートマネーライフ編集部の金融のプロ190名アンケートでは、それだけではなく「なぜその保険に入っているのか(=備えているリスク)」についてもヒアリングを行いました。
備えているリスクは保険に加入する目的にあたる部分ですので、不要な補償を付けて無駄な保険料を支払う事になるのを避けるために、必ず確認してください。以下の表は、誰もが直面する可能性のある「備えるべきリスク」です。
遺族の生活資金 | 自分が亡くなった場合や高度障害状態になった場合の家族(遺族)の生活資金・住宅資金・教育資金 |
---|---|
病気・ケガの治療費 | 自分が病気・ケガをした場合の治療費・働けなくなった場合の生活資金 |
老後資金 | ゆとりあるセカンドライフを送るための準備資金 |
子どもの教育資金 | 子どもの成長に伴って必要な教育資金・結婚資金 |
介護保障 | 自分が認知症や介護状態になった場合の介護費用・生活資金 |
以下の表は、金融のプロ190名が何のリスクに備えているのかをランキングにしたものです。 自分の家族構成に近いプロは、何のリスクに備えているのでしょうか。経済状況(収入や貯蓄)・ライフスタイル・今後のライフプラン等とも照らし合わせて、自分が備えるべきリスクを考える際の参考にしてください。
1位 | 遺族の生活資金 | 遺族の生活資金 | 病気・ケガの治療費 |
2位 | 老後資金 | 病気・ケガの治療費 | 老後資金 |
3位 | 病気・ケガの治療費 | 老後資金 | 遺族の生活資金 |
4位 | 子どもの教育資金 | 介護資金 | 介護資金 |
以下の表は「備えているリスク」ごとに、多かった保険の種類を整理したものです。
わかること
- 備えているリスクは、家族構成によって異なる
子どもがいる家庭は、自分に万一のことがあった場合の家族(遺族)の保障を最も重視している。子どもがいない夫婦や独身は、自分が生きている間に発生し得るリスクに対する備えを重視する傾向にある。 - 回答者の78%が40~60代、家族に対する保障が厚めの傾向
回答者の年齢層が高めであったため、アンケート結果にも影響があった。例えば、家族構成が「子どもなし」であっても「子どもが独立(以前は子どもがいた)「専業主婦家庭」が半数ずつ含まれたため、家族(遺族)の生活保障を重視する傾向が強く出る結果となった。
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夫婦子どもあり家庭の保険加入パターン
金融のプロ190名のうち子どもがいる回答者は105名(55.2%)で、うち共働き家庭が69名、専業主婦家庭が36名でした。
- 最優先は家族全体のリスクをカバーする生命保険加入
- 医療保険の加入率は79%
- 学資保険の加入率は63%
【子どもあり】回答者の年代分布はこちら
年代は以下の通り(多い順)。
- 50代:35名
- 40代:29名
- 30代:23名
- 60代:13名
- 20代:5名
遺族の生活資金として加入【子どもあり】
遺族の生活資金を準備していると回答した71名のうち、52名(73%)が終身保険、38名(53%)が定期保険に加入。団体信用生命保険が4位に挙がっているのも、子供+配偶者がいる家庭の特徴と言えます。
病気・ケガの治療費として加入【子どもあり】
病気・ケガの治療費を準備していると回答した62名のうち、49名(79%)が医療保険、32名(51%)ががん保険に加入しています。
子どもの教育資金として加入【子どもあり】
子供の教育資金を準備していると回答した47名のうち、学資保険の加入者が30名(63%)と過半数以上います。
定期保険や終身保険といった生命保険(本来は遺族の生活資金準備が目的の保険)が上位に挙がっているのは、いざという時に終身保険を途中で解約したり、自分に万一のことがあった場合に定期保険の保険金を教育資金として充当する可能性があると思われます。
民間保険以外の金融商品では、ジュニアNISA口座(2016年に制度開始、現在は制度終了)で教育資金準備をしている人が7名(15%弱)いました。
【事例】家族の保障重視で定期・終身・医療・がん保険に加入
41歳・男性Oさん(FP技能士2級)
・既婚(専業主婦+子ども)
・会社員(金融)
・世帯年収: 400万〜500万未満
・持ち家
入っている保険と備えているリスク
遺族生活資金 | 子ども教育資金 | 病気ケガ治療費 | 介護資金 | 老後資金 | |
---|---|---|---|---|---|
定期保険 | 〇 | なし | なし | なし | なし |
終身保険 | 〇 | なし | なし | なし | 〇 |
医療保険 | なし | なし | 〇 | なし | なし |
がん保険 | なし | なし | 〇 | なし | なし |
わかったこと
- 子どもがおり、奥さんも専業主婦なので、遺族の生活資金準備を重視して終身保険と定期保険に加入。終身保険の加入目的は遺族の生活準備のみならず老後資金準備も兼ねている。
- 医療保険の加入理由は「病院に払う以外にも色々お金がかかるから」と、公的保障ではカバーできない費用(交通費など)にも備えている。
- がん保険の加入理由は「通院補償が充実しているから」と、通院治療が長期化するリスクに備えている。
- 最低限入っておくべきだと思う保険は定期保険・医療保険・がん保険。理由は「掛け捨てで安く入れるから」と、全体の保障は厚めであるが、払込保険料は最低限に抑えている印象。
夫婦子どもなし回答者の加入パターン
金融のプロ190名のうち子どもなしの回答者は34名(17.8%)、うち共働き家庭が18名、専業主婦家庭が16名でした。また50・60代が85%を占め、うち約半分(15名)は「子どもがすでに独立している夫婦」であったことがアンケート結果にも反映されました。
- 遺族の生活資金準備を最重視(配偶者の生活保障・過去に加入した生命保険?)
- 自分の病気・ケガに対する意識も高い
- 介護や老後資金への意識が高い
【子どもなし】回答者の年代分布はこちら
金融のプロ190名アンケートで、子どもがいない回答者は34名(17.8%)。うち共働き家庭が18名、専業主婦家庭が16名。年代は以下の通り(多い順)で、全体の85%を占める50・60代のうち「子どもがすでに独立している夫婦」を15名含む。
- 50代:17名
- 60代:12名
- 40代:3名
- 30代:1名
- 20代:1名
遺族の生活資金として加入【子どもなし】
遺族の生活資金を準備していると回答した21名のうち、13名(61.9%)ずつが終身保険と定期保険に加入しています。子どもはいないものの「専業主婦家庭」や「子どもが独立している夫婦」が半分近くいるため、配偶者の生活保障を目的にしていたり、子どもと同居していた当時の昔の生命保険を保有し続けている可能性も考えられます。
病気・ケガの治療費として加入【子どもなし】
病気・ケガの治療費準備をしていると回答した18名のうち、12名(66.6%)が医療保険、11名(61.1%)ががん保険に加入しています。
【事例】配偶者の生活保障を重視・老後資金は資産と通貨の分散
55歳・男性Kさんの場合(宅地建物取引士)
・既婚(専業主婦+子どもなし)
・会社員(製造業)
・世帯年収: 1,500万〜1,800万未満
・持ち家
入っている保険と備えているリスク
遺族生活資金 | 子ども教育資金 | 病気ケガ治療費 | 介護資金 | 老後資金 | |
---|---|---|---|---|---|
定期保険 | 〇 | なし | なし | なし | なし |
終身保険 | 〇 | なし | なし | なし | なし |
団体信用生命保険 | 〇 | なし | なし | なし | なし |
外貨建て終身保険 | 〇 | なし | なし | なし | 〇 |
定額個人年金保険 | なし | なし | なし | なし | 〇 |
外貨建て個人年金保険 | なし | なし | なし | なし | 〇 |
わかったこと
- 奥さんが専業主婦なので自分に万一のことがあった場合の備えが厚めである。終身保険と定期保険で生活資金準備、団信にも入っているので、万一の場合でも奥さんにローン返済義務はない。
- 医療保険に加入しない理由は「貯蓄が十分にあるから不要」との考え。
- 老後資金準備として外貨建て保険に加入。その理由として「資産の分散運用とUS$建債券による長期安定運用」とのことで、通貨と資産を分散して持つことが重要という考え。
独身回答者の加入パターン
金融のプロ190名のうち、独身の回答者は51名(17.8%)で、子どもあり家庭や子供なし家庭とは備えているリスクの優先順位が異なることが確認できました。
- 自分自身の病気やケガなど、自分が生きている間の健康リスクへの備えが最優先
- 老後資金の準備は民間保険だけに限らず、リスク許容度が高い
【独身】回答者の年代分布はこちら
年代は以下の通り(多い順)。
- 50代:15名
- 40代:14名
- 60代:11名
- 30代:7名
- 20代:4名
病気・ケガの治療費として加入【独身】
病気やケガに備えていると回答した34名のうち、26名(76.4%)が医療保険、17名(50%)ががん保険に加入しています。
老後資金として加入【独身】
老後資金準備をしていると回答した29名のうち、15名(51.7%)が定額個人年金に加入しています。特徴的なのが、6名(20.6%)と少数ながらも、民間保険以外の金融商品株式や投資信託、企業型DC)で老後資金準備をしている人がいることです。子どもや配偶者がいないことに加えて、年代的にも余裕資金があり(独身の回答者の年齢層が40~50代が過半数以上)、リスク許容度が高いことが考えられます。
【事例】必要最低限!医療保険重視のシンプルプラン
35歳・男性Tさんの場合(FP技能士2級、証券外務員一種)
・独身
・会社員(金融)
・世帯年収:400~500万
・賃貸
入っている保険と備えているリスク
遺族生活資金 | 子ども教育資金 | 病気ケガ治療費 | 介護資金 | 老後資金 | |
---|---|---|---|---|---|
医療保険 | なし | なし | 〇 | なし | なし |
わかったこと
- 医療保険のみに加入して必要最低限の備えに留めています。
- 医療保険の加入理由は「入院になった場合、民間の医療保険の備えがあることで、よりよい部屋に入ったり、諸費用のカバーができるため」と、公的保障(高額療養費制度など)でカバーできない費用に備えています。医療保険の給付金受取方法と金額は以下の通り。
・日額:入院10,000円、通院5000円
・一時金:入院、通院、手術いずれも50万円未満
【事例】万全かつ堅実に老後準備と健康リスク対策
57歳・男性Hさんの場合(FP技能士1級)
・独身
・会社員(製造業)
・世帯年収:600万〜700万未満
・賃貸
入っている保険と備えているリスク
遺族生活資金 | 子ども教育資金 | 病気ケガ治療費 | 介護資金 | 老後資金 | |
---|---|---|---|---|---|
医療保険 | なし | なし | 〇 | なし | なし |
三大疾病保険 | なし | なし | 〇 | なし | なし |
就業不能保険 | なし | なし | 〇 | なし | なし |
介護保険 | なし | なし | なし | 〇 | なし |
養老保険 | なし | なし | なし | なし | 〇 |
定額個人年金保険 | なし | なし | なし | なし | 〇 |
わかったこと
- 自分の病気・ケガや働けなくなった場合、老後に向けて万全に備えています。
- 医療保険に加入した理由は「保険外医療に備えるなど多少は押さえておく必要を感じたため」と、公的保障(国民健康保険や高額療養費制度)が適用にならないリスクに備えています。医療保険の給付金受取方法と金額は以下の通り。
・日額:入院10,000円、通院3,000円
・一時金:手術10万円以上50万円未満 - 三大疾病保険の加入理由は「三大疾病と診断された際に支給される一時金の額を重視して将来設計したため」、就業不能保険の加入理由は「無収入リスクに備えるため」と、いざという時に頼る家族がいない可能性や経済的リスクに備えています。
金融・保険のプロが入っている保険:保険種目と傾向
家族構成別の加入パターンについて確認したところで、今度は保険種目に注目し、一体どのように保険に入っているのかを分析します。
終身保険・定期保険
終身保険と定期保険は、自分に万一のことがあった場合に家族(遺族)の生活を守るための生命保険です。自分が死亡した場合や高度障害状態になった場合に保険金が支払われます。
終身保険 | 定期保険 | |
---|---|---|
保険期間 | 一生涯(保障が一生続く) | 一定期間(例: 10年、20年など) |
保険料 | 一般的に定額で、割高 | 保険期間が限られているため、比較的安価 |
解約返戻金 | あり(解約時に受け取れる) | 基本的になし(解約時に返金されない) |
満期保険金 | 満期がない(死亡時に保険金が支払われる) | 満期があり、満期保険金は基本的にない |
定期保険と終身保険が、遺族の生活費を守るために重要だということはわかりましたが、金融のプロは実際どのように保険に加入しているのでしょうか?
調査結果を見ると、上位は終身保険のみ加入が21名、次に定期保険と終身保険の両方加入が16名、定期保険のみ加入が14名でした。
終身保険は、途中解約をして解約返戻金を受け取ることができるため、生命保険としてだけではなく、老後資金や子どもの教育資金に充てる可能性を考慮して加入している人が見られます。
定期保険のみ加入している回答者、老後資金はどうしてる?
定期保険にしか加入していない14名の方々は、老後資金や子どもの教育資金はどのように備えているのでしょうか?
分析した結果、子どもの教育資金として「学資保険」にも加入している方が5名、老後の生活資金として「定額個人年金」や「終身保険」に加入している方がそれぞれ2名いました。
この結果から、定期保険に加えて学資保険や年金保険を併用し、将来に向けて準備をしていることが分かります。
医療保険
病気やケガで入院・手術が必要になった場合に、治療費や入院費用をカバーする保険です。日常生活での一般的な病気やケガが広く対象となり、入院日数に応じた給付金や手術を受けた場合の一時金などが支払われます。
医療保険の加入を検討する際に多くの人が迷うポイント4つについて、金融のプロ190名アンケート結果から傾向をまとめました。
医療保険迷うポイント①給付金は日額・一時金どっち?
入院給付金と通院給付金は日額、手術給付金は一時金が多い
- 入院:日額タイプが69.4%、一時金タイプが28%
- 通院:日額タイプが59.2%、一時金タイプが22.1%、該当なし21%
- 手術:日額タイプが41.9%、一時金タイプが54.4%
医療保険迷うポイント②日額はいくら?
入院給付金と通院給付金は5,000円、手術給付金は10,000円が多い
- 入院日額:5,000円が55.9%、10,000円が34.5%
- 通院日額:5,000円が46.2%、3,000円が43.2%
- 手術日額:10,000円が61.7%、5,000円が29.7%
医療保険迷うポイント③一時金はいくら?
入院・通院・手術いずれも一時金50万円未満が主流
- 入院一時金:41.1%が10万円以上~50万円未満
- 通院一時金:88%が50万円未満
- 手術一時金:46.6%が10万円以上~50万円未満
※医療保険、医療+がん保険、医療+三大疾病保険に加入していると回答した117名が対象
※アンケート概要と設問内容はこちら
医療保険迷うポイント④医療保険はいらない?
最近よく耳にするのが、医療保険は不要という意見。国民健康保険や高額療養費制度などの公的保障があるため、万一の際に使える貯蓄さえあれば医療保険は必要ない、というわけです。
金融のプロ190名アンケートでは、医療保険に入っている人・入っていない人それぞれに理由を聞いてみました。
医療保険に入っている理由
46歳・女性Cさん(金融業/証券外務員一種)
“この間入院、手術をしたときに高額医療費制度を使っても30万払うことになって、医療保険がないとかなり厳しかった。大した年収でもないのに高額医療費制度なんて全く使えなかった。年収によって上限が決まっているが、かなりの低収入でないと結局ほとんど払うことになって意味がない制度だから。”
医療保険に入っている理由
35歳・女性Tさん(金融業/FP技能士2級、証券外務員一種)
“入院になった場合、民間の医療保険の備えがあることで、よりよい部屋に入ったり、諸費用のカバーができるため”
医療保険に入らない理由
医療保険に入っていないと回答した90人のうち、36.6%が「貯蓄が十分にあるから」、31.1%が「高額療養費制度があるから」と回答。
「経済的な理由で加入が難しい」と回答した人が27.7%でしたが、一般的には、病気・ケガをした場合の経済的リスクが大きい人(万一の際に使える貯蓄が少ない人)ほど、医療保険に加入する必要性は高くなると言えます。
また、貯蓄が十分にあったとしても、
「治療が長引いて予想外に治療費がかかる」
「病気にかかると医療保険に新規で加入するのが難しくなる」
「公的保障で賄えない費用がかさむ」
などのリスクも考慮しなければなりません。
医療保険を検討する際は、保険相談をはじめとしたプロの意見も参考にすると良いですね。
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がん保険
がんと診断された場合に、治療費や入院費用を重点的にカバーする保険です。がんに特化した保障で、がんの診断時や治療に応じて一時金や治療費が支給されます。他の病気やケガは対象外ですが、がんに関しては手厚い保障を受けられます。
治療給付金と診断給付金どっち?
がん保険は、入院給付金タイプから、治療給付金タイプや診断給付金タイプへ人気が集まっています。これは、入院の短期化・入院を伴わない治療の増加・治療の長期化など、医療環境の変化が主な理由です。
入院給付金 | 入院日数に応じてもらえるお金(従来型) |
---|---|
治療給付金 | 治療が発生するタイミングで受け取れるお金 |
診断給付金 | がんと診断されるとすぐにもらうことができるお金 |
とは言っても、治療給付金と診断給付金どちらを選んだら良いか迷う人も多いでしょう。以下は、金融のプロ190名アンケートで、がん保険で治療給付金と診断給付金のどちらを重視しているかをヒアリングをした結果です。
がん保険に加入していると回答した70名のうち、24名(34.2%)が「診断給付金と治療給付金を同じくらい重視」と回答し、バランス良く加入している人が多いことがわかりました。これは、どちらの給付金にもメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあるからだと考えられます。
診断給付金 | 1回しか受け取ることができないタイプだと、治療が長期化した場合に使い切ってしまう可能性がある |
---|---|
治療給付金 | 保障範囲(給付対象となる治療)が限られている可能性がある |
診断給付金と治療給付金のバランスを検討する際には、
「診断給付金は複数回受け取れるか」
「治療給付金はどの治療が対象となるか」
などを考慮し、保険相談をはじめとしたプロの意見も参考にしましょう。
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三大疾病保険
がん、急性心筋梗塞、脳卒中という三大疾病にかかった場合に、まとまった一時金を支払う保険です。これらの疾病は治療費や療養期間が長期にわたることが多いため、重度の病気に対する経済的備えとして有効です。
金融のプロはどうやって入っている?医療保険・がん保険・三大疾病保険
ここまで見てきた医療保険・がん保険・三大疾病保険についてその特徴をまとめました。
医療保険 | がん保険 | 三大疾病保険 | |
---|---|---|---|
保障対象 | 病気やケガ全般(がん含む) | がんのみ | がん、急性心筋梗塞、脳卒中 |
保障内容 | 入院・手術費用、通院費用など | がんの診断・治療費、入院・手術費用 | 三大疾病の診断・治療費、一時金 |
保険料 | 幅広い保障のためやや高め | がんに特化しているため比較的安価 | 三大疾病を対象にしているためやや高め |
給付金受取方法 | 入院日数や手術に応じて日額または一時金で | がん診断時に一時金、入院・治療に応じて | 三大疾病診断時に一時金を受け取る |
各々の保険に特徴がありますので、結論どの保険に入ればいいのか悩みます。金融のプロはどのように病気やケガに備えているのでしょうか?
そこで、金融のプロ190名アンケートで、病気・ケガに備えていると回答した114名の保険の組み合わせ方を紹介します。
医療保険のみ加入している回答者が27名、医療保険・がん保険の2種目加入が24名で上位となりました。
そのあと医療保険・がん保険・三大疾病保険の3種目合わせて加入している回答者が11名と続きます。
がんへの備えを手厚くしている回答者は72%
「がんへの備え」に着目すると、多数の回答者が手厚く備えている傾向が見えました。
病気・ケガのリスクに備えていると回答した114名のうち、82名*はがんに対する備えを手厚くする保険に加入しています。(*がん保険、三大疾病保険、医療保険+がん特約、医療保険+三大疾病特約のうちいずれかを選択した回答者数)
国立がんセンターがん対策情報センターの推計によると、がんは「日本人の男性2人に1人、女性の3人に1人がかかる*」と言われています。治療が長引いたり再発する可能性があることも考慮すると、保険で備えるべき病気といえます。
*出典:厚生労働省|政策レポート(がん対策について)
定額個人年金保険
安定的な老後資金を確保するため、自分で公的年金の上乗せ分を準備する保険です。保険会社に「毎月か毎年一定の金額を積み立てる」か「一括払い」をします。契約時に決めた年齢になると、この貯まったお金に利息分を加えた額(契約時に約束した金額)を年金形式で受け取り続けることができます。
定額個人年金保険は、契約時に将来受け取る金額や期間が確定していることが特長ですが、近年の円の低金利環境では、利率が低く設定されており、積み立てた金額が大きく増えることは期待できません。
定額個人年金保険が上位にランクインしたのは、金融のプロ190名アンケート回答者の78%が40~60代以上で、現在よりも利率が高かった時期に加入した定額個人年金保険を保有し続けているパターンが多いと考えられます。
定額個人年金保険 | 終身保険 | |
---|---|---|
目的 | 安定した老後資金の確保 | 死亡保障、万一の場合の遺族の生活を支える |
保険料支払方法 | 月払/年払/一括払 | 月払/年払/一括払 |
いつ受け取る? | 契約時に決めた年齢から年金形式で支払われる | 被保険者が死亡した場合に死亡保険金が支払われる |
利率の影響 | 契約時に約束する利率に基づいて年金が増えるが、近年は低金利傾向 | 解約返戻金や運用に影響する場合あり。特に「利率変動型」は金利に応じて返戻金が増減する可能性 |
解約返戻金 | 積立金額に応じた返戻金があるが、解約時期により元本割れする可能性 | 解約時に返戻金が支払われるが、解約時期により元本割れする可能性 |
金融のプロ190名アンケート概要
スマートマネーライフ編集部が実施した金融のプロ190名アンケートの概要や設問内容の詳細をお伝えします。
アンケートの概要・設問内容
アンケート概要 | |
---|---|
対象 | 金融関連の資格を保有している男女190名 |
期間 | ■スクリーニング調査:2024年8月15日 ■本調査:2024年8月21日~22日 |
人数 | ■スクリーニング調査:5,000名(男性:3,018、女性:1,982) ■本調査:200名(男性:152、女性:48)、うち有効回答190名 |
方法 | インターネット調査 |
機関 | アイブリッジ株式会社 |
アンケートの設問内容はこちら
設問内容 | ■スクリーニング調査(男女5,000名) Q1: 下記の金融資格を保有していますか Q2: 現在、保険会社に勤めていますか Q3: 民間保険に加入していますか Q4: ご家族の構成についてお聞かせください ■本調査(男女190名) Q1: 金融商品に加入する事によって備えているリスクについて、以下の選択肢から選んでください(複数選択可) Q2: ご遺族の生活資金・住宅資金・教育資金の準備として加入している民間保険、およびその他の金融商品を、以下の選択肢から選んでください Q3: お子さまの教育資金・結婚資金の準備として加入している民間保険、およびその他の金融商品を、以下の選択肢から選んでください Q4: 病気・ケガの治療費・働けなくなった場合の生活資金の準備として加入している民間保険や付帯している特約、およびその他の金融商品を、以下の選択肢から選んでください Q5:介護費用の準備として加入している民間保険、およびその他の金融商品を、以下の選択肢から選んでください Q6・老後資金の準備として加入している民間保険、およびその他の金融商品を、以下の選択肢から選んでください Q7:外貨建て保険・変額保険を保有している方は、保有目的をお聞かせください Q8:外貨建て保険・変額保険を保有している方は、保有している理由をお聞かせください。 Q9:外貨建て保険・変額保険を保有していない方は、保有していない理由、および客観的なご意見をお聞かせください Q10:医療保険に加入している方は、給付金の受取方法について、以下(1)~(3)の該当する箇所すべてにチェックを入れてください Q11:医療保険に加入していて給付金の受取方法が日額タイプを選択した方は、日額はいくらですか Q12:医療保険に加入していて給付金の受取方法が一時金タイプを選択した方は、一時金はいくらですか Q13:がん保険に加入、またはがん特約を付帯している方は、診断給付金と治療給付金のどちらの保障を重視して契約していますか。または他に重視している保障がありますか Q14:がん保険、および三大疾病保険に加入している方は、保険で加入した理由をお聞かせください(他の民間保険の特約として付帯するのではなく、専門保険として加入したのはなぜですか) Q15:がん特約および三大疾病特約を付帯している方は、がん保障や三大疾病保障を他の民間保険の特約として付帯した理由を教えてください Q16:医療保険などに加入している方は、病気・ケガをした場合の治療費・働けなくなった場合の生活資金を、民間保険で備えている理由をお聞かせください Q17:医療保険などに加入していない方は、病気・ケガをした場合の治療費・働けなくなった場合の生活資金を、民間保険で備えていない理由を、以下の選択肢から選んでください Q18:就業不能保険に加入している方は、加入理由をお聞かせください Q19:「最低限加入しておいた方が良いと思う民間保険」について、以下の選択肢から選んでください。※ご自身と同じ家族構成の方にアドバイスすることを想定してください Q20:前設問でご回答いただいた「最低限加入しておいた方が良いと思う民間保険」について、その理由をお聞かせください |
アンケート回答者の保有資格・年代分布
保有資格の内訳
年代と家族構成の内訳
※家族構成は以下の通り分類
・子どもあり【共働き+専業主婦(主夫)家庭】
・子どもなし【共働き+専業主婦(主夫)家庭】
保険相談とは
金融のプロ190名アンケートの結果から金融のプロが入っている保険(家族構成別)は確認できました。
しかしながら、数多ある保険商品の中から自分に合うものを探すこと、ましてやひとりで決断することは簡単ではありません。
そこでおすすめしたいのが、保険相談です。
保険相談とは、今の自分の家族構成・仕事・経済状況・ライフスタイル・ライフプランなどをふまえた上で、保険のプロと一緒に「自分が備えるべきリスク」や「必要な補償」を明確にしていくことです。その上で、自分に合う保険商品を複数提案してもらって比較・検討します。
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加入する保険は、ライフスタイル・経済状況・価値観の変化と共にその都度変わっていくものです。
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まとめ
以上、スマートマネーライフ編集部が行った金融のプロ190名アンケート結果を、家族構成別に分けて徹底解説しました。
金融のプロ190名が選んだ「最低限入っておくべき保険」を紹介している記事もありますので、是非参考にしてください。