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大手企業の夏ボーナス平均99万円で過去最高?でも実感がない理由

作成日
大手企業の夏ボーナス平均99万円で過去最高でも実感がない理由

「大手企業の夏のボーナス、平均99万848円で過去最高に。」こんな見出しを見て、「景気が回復してきたのかな?」と感じた方もいるかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。この「過去最高」というニュース、本当に喜べる内容なのでしょうか?

物価の変化(インフレ)を加味していなければ、額面上は増えていても、実際に使えるお金(実質的な価値)は減っている可能性があります。

大手のボーナス過去最高は名目ベース。物価は考慮されていない

まず今回報道された大手企業の夏季賞与平均額「99万848円」は、物価上昇を加味していない名目金額です。

大手の夏ボーナス99万円、1次集計で過去最高 経団連

記事中および経団連の発表資料には過去の物価水準を調整したとの言及はなく、比較可能な1981年以降で過去最高額と述べられているのはあくまで名目ベースでの記録といえます。 

99万円は過去の物価水準を調整していない、あくまでその時の金額ベースです。

名目べ-スとは?

名目ベースとは「その時の値段そのままで考える」ことです。

例えばあなたが会社員で、去年と今年のお給料が以下のようだったとします。

  • 昨年の月給:30万円
  • 今年の月給:31万円

給料の金額(名目)は増えていますが、物価が上がって食費が5万円が7万円になっていたら、生活の負担は給料の上り幅より大きく、実際に使えるお金は減ったように感じるはずです。

今回のボーナス99万円もこの名目ベースの金額であり、物価が上がっているなら、実際に買えるモノやサービスは減っている可能性がある という点がポイントです。

物価調整後、本当のボーナス価値はどうなのか?2020年からの比較

日本の消費者物価指数(CPI)は30年間ほとんど変わりませんでしたが、近年は上昇傾向です。物価がどれくらい上がったのかを消費者物価指数(CPI)を用いて、今回2025年の水準に合わせて過去のボーナス金額をスマートマネーライフで計算しなおしてみました。

各年の物価上昇率を加味し、ボーナス金額を2025年基準に揃えて比較してみると:

年度名目賞与額2025年基準の実質賞与額
2000年
(デフレ初期)
925,947円約1,048,781円
(2025年より上)
2010年
(リーマン後)
757,638円約885,360円
2020年
(コロナ禍)
901,147円約990,006円
(2025年と同水準)
2025年990,848円990,848円
(基準年のため同額)

名目賞与額:経団連より発表された大企業夏のボーナス額 2020年2010年2020年

結論:物価調整後では2025年夏のボーナスは「過去最高」とは言えず、2000年の実質水準には届かないことがわかります。

計算式と各年の消費物価指数

実質賞与額(2025年基準) = 名目賞与額 × (2025年CPI ÷ 対象年CPI)
2000年:98(2020年=100基準での推定値)
2010年:95
2020年:101

庶民の財布はなぜ軽いままなのか?

このように物価調整を入れて再計算してでみても、過去と比べて、大きくボーナス額が下回っているという状況ではありません。にかかわらず、なぜ生活は楽にならないのでしょうか。

1.日本の7割は中小企業勤め

今回の「99万円」という数字は 大手企業(従業員500人以上)限定のものです。

しかし現実には 日本の給与所得者の約7割が中小企業に勤めており、中小企業のボーナスは大手の5~7割程度が一般的です

多くの家庭では:

  • 50~60万円台の支給が一般的
  • そもそもボーナスが出ない企業も少なくない

というのが現状です。

2.インフレで生活コストだけが先に上がる

電気代・ガス・食料品・日用品など生活必需品の価格が急上昇しています。

大手企業のボーナスは名目では増加していても実質では横ばい、さらに中小企業は賃上げ・ボーナス増額が遅れがち。

結果として 「使えるお金(可処分所得)」はむしろ減少している家庭が多い のが実態です。

3.家計に響くのは「手取りベース」

ボーナスは税金・社会保険料が引かれるため、実際の手取りは 額面の70~75%程度

例えば:

  • 大手企業の99万円 → 手取りは約72万円前後
  • 中小企業で60万円 → 手取りは約43万円前後
     

その差は大手企業と比べて約30万円近くになります。

ニュースと現実のギャップに注意

「大手企業のボーナス過去最高」というニュースは景気が良くなったように見えますが、

  • 物価調整後は実質横ばい
  • 中小企業には波及しにくい

という理由によりなかなか実感とかけ離れた印象を受けます。ニュースの「景気回復」だけで楽観するのではなく、「自分の使えるお金は増えているのか?」という目線を持つことが、情報に惑わされないために重要です。