児童手当は投資するべき?児童手当が高校生まで拡大|子育てを終えた親250名が語る「優先すべき費用」とは?
児童手当拡充は2024年12月支給分から、特に高校生まで拡大される月額1万円は何に使うべきか?子育てが終わった親250名に調査を実施。 「子どもが中高校生だった時に、 児童手当がもらえたら、何を優先するべき?」リアルな子育ての経験とお金のアドバイスは、現役子育て世代に役立つ内容です。
さらに月1万円は投資?貯蓄?FP専門家が解説するおすすめ資金準備方法も詳しく紹介します。
とにかく学費は高すぎる。貯められる時に貯めて下さい。
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目次
児童手当の拡充とは?恩恵が大きい「高校生まで支給」
2024年10月に児童手当が拡充されます。私たちの手に届く支給タイミングは2024年12月となります。
特に児童手当の増額で大きな変更は、「所得制限を撤廃」「高校生年代まで延長」「第3子以降は3万円」になります。
この中でも特に高校生まで月額1万円*が支給される点に関しては、多くの人が恩恵を受けられる施策となります。
*第一子、第二子の場合月額1万円、第三子は月額3万円
そこでスマートマネーライフでは、子どもが中学生や高校生の間に、どのような費用にお金をかけるべきか。児童手当の支給を子育て後半でより有意義に配分できるように、 子どもが独立している親に調査を実施しました。
子育てが終わった親が選ぶ児童手当の使い道~もし、いま月額1万円が支給されたら?~
質問
もしお子様が中学生から高校生だった時に月額1万円の児童手当が支給されていたとしたら、今の社会情勢を考慮して、どの費用項目に優先的にお金をかけるべきだと思いますか?(「学費」もしくは「食費」「医療費」などの生活支出は含めません)
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「子どもが中高校生だった時に、 児童手当がもらえたら、何を優先するべき?」という質問に対して、 「教育関連」に使用するという回答者が68.4%を占めました。
続いて、「習い事」や「部活」が続きます。 少数派ですが、これらの選択肢は「勉強以外に様々な経験をさせてあげたい」 「こどもの得意分野を伸ばしたい。」といったような勉強以外の面を重視する回答者が集まりました。
ここから1位から5位までの回答者のコメントを紹介します。
回答者のコメント
「なぜその費用を選んだか」「これから中高生の子育てをする親へのアドバイス」
住居の都道府県・ 性別・年齢/ 独立した子どもが中高生だったころの世帯の働き方/ 子どもの人数・独立した子どもの最終学歴
1位 大学進学のための貯蓄・投資 42%
大学進学には多額の費用がかかるため、早めに貯蓄や投資をして備える必要があると考える人が多い結果となりました。
回答者の子どもが中高生だったころ、特にお金をかけていた項目は「学習塾・予備校」が1位でしたが、意外と学費にお金がかかったという後悔の経験をもとに進学費用を選択していました。
県外の大学に進学させるのには思ったよりもお金が必要だった。できるだけ本人が希望する進路を選ばせてあげたいと思った。
広島県65歳女性/専業主婦・主夫/子ども2人大学院修了(修士)、大学院修了(修士)
とにかく学費が高すぎる。貯められる時に貯めて下さい
埼玉県52歳女性/シングル/子ども1人大学卒業
大学は思っているよりも費用が掛かるのでローンを使わず進学できるといいと思う。進学でローンを利用すると後後返済が大変になるのでしっかりと準備したほうがいいと思う
埼玉県57歳女性/専業主婦・主夫/子ども2人短期大学卒業、高等専門学校卒業
受験に掛かる費用が馬鹿にならず、入学金含めて膨大な費用になる。 大学進学にはお金がかかるので、できるだけ貯蓄を増やして、奨学金を借りなくて済むようにしておきたい。大学も少子化で生残りを掛けており、取れるところからは鬼のように搾取しています。項目に載らない雑費がボディブローの如く効いて、体力(お金)がないとひもじい思いをさせてしまう。少しでも余力はあった方がよいです。
愛知県60歳男性/共働き(どちらかがパート)/子ども1人大学卒業
一方で、「留学を希望していたので準備していた。」といったように、前もって計画的に準備できていた家庭もありました。
高校卒業後留学の希望があったので、中学生の時から計画的に資金の準備をした。手当を他の用途に回さずその時子供に必要が無くても積立ておく
大阪府67歳女性/共働き(フルタイム)/子ども1人大学卒業
進学したいところにお金を気にせず行かせてあげたいから。教育ローンを組ますと将来子供が苦労するので、生まれた月から少しづつでも貯金して上げた方がいい。さぼる塾は辞めて家庭教師で確実に勉強させました。
大阪府53歳女性/共働き(どちらかがパート)/子ども1人最終学歴不明
受験にかかる費用も大きいが、学費もかなり家計の負担となるから。私は児童手当を貯蓄にまわしてきました。 それが高校大学入学時に使うことができて、助かったと思います。
愛知県53歳女性/共働き(どちらかパート)/子ども2人大学卒業、大学卒業
どちらの回答者にも共通するのは、「子供が希望する進路を金銭的な理由で諦めさせたくない。」「選択肢を与えたい」という意見は共通して見えており、子育て世代に向けたアドバイスも計画的な資金準備が最重要視されています。
より多額の資金が必要な事項だから。将来までを見据えた教育には予定よりかかるを覚悟し貯蓄し、その他制度の利用や子どもの可能性を的確に認識して費用で諦める選択をせず、資格によっては借金しても取れれば数年で元が取れる。進学を含め教育は親が子に遺せる大事な財産となる。
福島県54歳女性/シングル/1人大学卒業
大学進学は大きな出費となる為、入学準備金に充てられれば子供の希望する大学選択の幅が拡がる。将来、どういう進路を選択するかによって費用の使い方が違うと思います。子供と進路について話し合うと自ずと使い方が決まります。しかし、途中で進路変更がある事も考えられるので、親は心づもりをし子供の希望に寄り添えると良いですね。
岩手県56歳女性/専業主婦・主夫/子ども1人大学院修了(修士)
進学の費用について重要だということはわかりました。では具体的にどうするべき?月額1万円をどう使うかという問題に、ファイナンシャルプランナーの吉野さんからアドバイスをいただきました。
2位 学習塾・予備校 26.4%
2位は学習塾・予備校でした。「身になるもの」「志望校合格のため」といったような、子どもの目標や課題を達成するためのサポートとして有効な使い道になる。と考えて塾を選択した回答者が目立ちました。
その子の人生にとって最も有効な使い道だと思うから。子どもには、好きな道を歩ませ、それを十分にサポートするのが親の責務だと思う。
香川県62歳/男性/共働き(フルタイム)/子ども1人大学卒業
もう一歩の力をつけるため。進学資金と予備校、塾費用とは全く別物としつ用意するべき
岩手県64歳男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:大学卒業、大学卒業
基礎学力の向上と志望校の合格の為。なるべく本人に身につくものがベスト。高校進学の際自分の選びたい高校が増えてよかった。
愛知県65歳/男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:高等学校卒業、高等専門学校卒業
受験対策は、外部の方が効率が良いから。子供が金銭面で大学進学をあきらめないように貯金した方が良いです。
愛知県55歳女性/専業主婦・主夫/子ども1人:大学卒業
まずは足元の定期テストの点数を少しでも上げるにはプロのハウツーが必要だから。まずは勉強がしっかりできて初めて学校生活は成り立つから。
大阪府63歳女性/専業主婦・主夫/子ども2人:大学院修了(修士)、大学卒業
また、月額1万円という児童手当の金額からしても、「塾代にあてるのが妥当」という考え方もありました。
毎月いるものだから。
福井県63歳男性/共働き(フルタイム)/子ども3人:大学卒業、大学卒業、大学院修了(修士)
学校教育だけでは不十分と 思うから。限られた予算を選択的かつ集中的に使うのがいいと思う
長崎県68歳男性/シングル/子ども2人:大学卒業、大学卒業
月1万円で特に変わることはないから。足元の経済状況に左右されるのは、致し方ないと思うが、特に秀でた能力のない普通の子供ほど大学進学を検討すべきだと思う。
神奈川県56歳男性/専業主婦・主夫/子ども2人:独立した子ども1人大学卒業
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3位 習い事(音楽、スポーツ、芸術など)8%
進学の費用や学習塾など、進学に関わる教育関係に回すとした回答者が多数でしたので、3位の習い事は、上位2項目と比べると一気に回答数が減ります。
しかし、「子どもの個性を尊重」「勉強以外の自己実現」など、学業以外の分野で幅広く経験を積むことを重視した回答者が集まりました。
若い頃しかできないことがあるから。塾よりも、書道、ピアノ、水泳などにお金をかけるべき。
愛知県57歳女性/専業主婦・主夫/子ども1人:大学卒業
得意分野を増やしてあげたい。出来る限りの良い環境と本人の意思を尊重した心の余裕と資金の確保。
大阪府56歳女性/シングル/子ども1人:専門学校卒業
勉強以外で自己実現できる何かを持たせるべき。本人が希望して長続きできる事を見つける事。
東京都69歳男性/シングル/子ども2人:大学卒業、大学卒業
やりたいと思うことを存分にやらせてやりたい。何もかもは無理なので 我が家我が子には何が大切なのか選択していくことが求められる 他の家庭や他の子と比べない我が家の指標を持つ。
神奈川県62歳女性/専業主婦・主夫/子ども2人:専門学校卒業、大学卒業
目先の受験に捉われず、長い人生を楽しむため、また、苦しい時にも拠って立てる基盤を作ることが出来れば大きな財産となるから。社会に出て実感することは、確かに学歴で差が付く面はあるものの、大学入学時にピークを迎えたような人材では、ほぼ活躍出来ないことが明らかなので、人としての厚みを増し、引き出しを多くすることが大切だと思います。
茨城県64歳女性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:大学卒業、専門学校卒業
子供の好きな事、個性として一番だと思った。子供の人生に後悔させたくない。やりたい事があるならやらせてあげたい。
大阪府65歳女性/共働き(フルタイム)/子ども3人:専門学校卒業、専門学校卒業、専門学校卒業
勉強以外にも大切な事がある。人としての成長が必要
神奈川県62歳男性/専業主婦・主夫/子ども2人:大学院修了(修士)、大学院修了(修士)
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4位 部活動の活動費(遠征・合宿費用など)5.2%
「今しかできないこと。」「子どもの意見を尊重した使い道」として、部活動の活動費と回答した方が集まりました。
実際、回答者自身の子どもが中高校生の頃に、部活に熱中していたため、「部活やクラブ活動にはに費用が掛かる」という実感が強い方が多い印象でした。
県内ではスポーツエリート校のサッカー部員であり、試合の移動距離が長いため、活動費がかかるので、そこの補填に用いるのが合理的と考えた。親の意向と子供の意向がおおむね合致していれば親としては子供の進路に頭を痛める必要はないが、そうでない場合は、学習の意欲を削がないように対応することからやるべきと思う。
香川県56歳男性/共働き(フルタイム)/子ども3人:短期大学卒業、大学卒業、大学卒業
クラブ活動は意外とお金がかかる。子供のためではなく自分たちの生活に使うことのないように、よく考えること。
愛知県62歳女性/共働き(フルタイム)/子ども1人:短期大学卒業
お金のかかるスポーツだったから。その年齢にしか体験できないことを優先してあげるべきだ。
京都府61歳女性/シングル/子ども2人:大学卒業、大学卒業
社会で必要なことが学べる。
茨城県64歳男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:大学卒業、大学卒業
今しかできないことなので。今、何が必要か、やるべきかを優先して考える
埼玉県55歳男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:大学卒業、高等学校卒業
部活費はスパイクなどの消耗品でお金がかかるから。子供のしたい事に使ってあげて欲しい。
京都府57歳女性/共働き(どちらかパート)/子ども3人:大学卒業、大学卒業、大学卒業
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5位 テクノロジー機器の購入(パソコン、タブレットなど)4.8%
テクノロジー機器は現代では「必須」として、最新のIT環境や技術への対応力と実用性を重視した回答が目立ちました。無駄なく実用的に活かせる費用の使い道といえます。
テクノロジーの発達は早いのでそれに対応した機種を買い与えたいから。こどもにお金がかかっている時はとても負担にかんじたが、過ぎてみるとそれもまたいい思い出になると思う。
東京都63歳女性/共働き(フルタイム)/子ども2人:大学卒業、大学卒業
今後、色々な場面でIT環境が普通になってくる中で、少なくとも、そうしたモノへのアレルギー感だけは払拭しておきたいから。
東京都62歳男性/専業主婦・主夫/子ども3人:大学卒業、短期大学卒業、短期大学卒業
いろいろな電子化が進んでおり、その対応力を高めて欲しいから。働き出しても役立つ人間になって欲しかったから。
富山県52歳男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:専門学校卒業、大学卒業
今はとても重要。子どもの将来の為に使うのであればなんでもしてあげた方が後悔しない。
静岡県62歳男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:海外教育機関卒業、大学卒業
必須費用として掛かると思います。
東京都64歳男性/専業主婦・主夫/子ども2人:大学卒業、大学院修了(修士)
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回答者250名の5つのアドバイス~これから中高生の子育てを迎える親へ~
回答者250名がこれから中学生・高校生の子育てをする親に対してご自身の経験から児童手当に絡めた様々なアドバイスを回答いただきました。スマートマネーライフ編集部で内容を分類して、多くの回答者が指摘したアドバイスを紹介します。
その1.進学に向けて貯蓄、もしくは計画的な資金準備を
回答者の多く「早くから計画的に貯蓄を始める」「児童手当を学資保険や貯蓄に回す」といった、長期的な資金計画の重要性のアドバイスが特に目立ちました。
「子どもにやりたいことをやらせたい。」「お金のことで子どもの希望や諦めさせたくない」切実な思いが反映されています。
今は用途が決まってなかったとしても、子どもができるだけ小さいうちから準備を始め、必要な時期に備えるべきという意見が目立ちました。
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その2.子供の意思を尊重する
お金のことだけではなく、「子どもの希望に耳を傾ける」「子供がやりたいことをサポートする」など、子供の意思を大切にし、進路や学習環境の選択において、親がサポートしてあげることはするべきというアドバイスも多く見られました。
特に親の期待を押し付けるのではなく、子供の自主性や興味に沿ったサポートが子供の成長に役立ったという意見もありました。
また子どものやりたいことを支援するためにもやはりある程度すぐに使えるお金は必要というコメントも多く見られましたので、資金計画はやはり重要といえます。
その3. 塾や教育費の使い方にメリハリをつける
回答者が実際にかけた費用1位は「学習塾・予備校」でしたが、優先すべき費用の回答では「大学進学のための貯蓄・投資」が1位という結果にも見られるように、その経験を踏まえたアドバイスが見られました。
学習塾のおかげで志望校に合格できたというコメントがある一方、「本当に必要なところにお金をかける」「塾が必要かは見極めるべき」といったコメントが多く見られ、やめるタイミングがわからない塾にお金をかけすぎたと後悔する回答もありました。
その4. 子どもとのコミュニケーションを重視
「子供とよく話し合う」「真剣に話を聞くこと」など、親子のコミュニケーションの重要性を指摘する意見があり、子供の希望や将来について日常的に話し合うべきという回答がりました。
これにより、親として子どもの意思を尊重した教育投資や金銭サポートがしやすくなり、「子どもからも感謝される。」「親子ともに後悔しない。」と最終的な子育ての満足感につながっているようです。
その5. 幅広い経験やスキルを身に着ける機会を
学習塾や進学に向けた資金準備に関するアドバイスが多い中、「人間性の向上に力を入れる」「留学やスポーツなど多様な経験が重要」など、学業以外での経験やスキルが子供の成長に役立つと意見ありました。
勉強以外の分野で子供が視野を広げ、将来に役立つ実践的なスキルや経験に投資することも子どものタイプによっては重要だといえます。
子どもが中高生だった頃:特にかけた費用項目とその満足度
ここまで、回答者のアドバイスが中心でしたが、ここから回答者の子どもたちが中高生だったころ、何に費用をかけてきたのか?その費用をかけてよかったのか?といった回答者の「経験」についての調査結果を紹介します。
特に費用をかけた費用項目:学習塾・予備校
回答者の子どもが中学生・高校生だったころ、特に費用をかけた項目は「学習塾・予備校」がトップでした。
多くの回答者が、学習塾・予備校は大学や希望する学校への進学に向けて必要な学力を養うために利用したと回答としています。「受験対策」「大学進学のため」「志望校の合格のため」子どもの具体的な目標を叶えるためとして費用をかけています。
進学・受験対策のため
・中高一貫校から東大及び医学部を目指していたため、弱い教科に応じて塾や予備校を選んで通わせていた。
・希望する大学へ合格するために必要な支出で、その費用をかけたことによって目的が達成できたから
学校教育の補完として
・学校の授業だけでは足りないと思ったので、学習塾を選んだ。
・学校の学習だけでは足りないから
子どもの意志の尊重
・本人が自ら塾に行きたいと言ってきたため
・本人がやる気を見せたのでお金をかけた
お金をかけて良かったと思う費用項目:「海外・ホームステイ」「進学のための貯蓄投資」
次に、各費用についてどのくらいお金をかけて良かったと思ったかについて調査しました。
おおよそすべての項目で「とてもよかったと思う」または「よかったと思う」といった回答になりましたが、特に満足の度合いが高かった「海外留学・ホームステイ」と「進学のための貯蓄投資」について紹介します。
海外留学・ホームステイ
海外留学・ホームステイに特に費用をかけたとした回答者は25名で全体回答者の10%でした。さらに「グローバルな視点を持ってもらえた」「自分のことは自分で決めるようになった」と、 お金をかけただけよかったと思う回答者の割合も高い傾向にありました。
・本人が短期留学したいと言ったから。多分役立ってると思う
・本人の希望が強く、本人の意思を尊重したため
・子供がどうしても行きたいと言ったから。英語の先生になった
しかし、「海外留学・ホームステイ」に費用をかけた25名の回答者に関しても、「もしいま児童手当を使えるなら」という質問では、40%が「進学のための貯蓄・投資」を選択しています。このことからもやはり資金準備は重要だとわかります。
大学進学のための貯蓄・投資
次に、「進学のための貯蓄・投資」に特に費用をかけた回答者は176名で、全体の70%を占めます。それでも費用をかけてよかったと感じている回答者が多く見られました。
・本人が大学院まで行きたいと言うのでお金を用意して実際に行けたので良かったと思う
・子供の希望で市立高校、大学を希望していた。望みどおりになってよかったと思う
・志望大学に入学できて、それなりに良い企業に就職できた
・大学進学率が就職先の選択肢を広げると信じて、希望の進学先へ進むために費用をかけました
さらに、「もし児童手当を使えるなら。」という質問でも、176名中87名約50%が「進学のための貯蓄・投資」を選択しています。
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子育てを振り返って:子どもに影響を与えた費用項目
特に費用をかけた1位~3位の項目がどの程度子どもに影響を与えたのでしょうか。回答者の自由回答をもとに、スマートライフ編集部にて費用の影響の種類を4つに分類しました。 分類ごとに、回答者が特に費用をかけた項目を集計し、全体回答者数との割合を求めました。この割合から、影響力の高い費用項目を分類ごとに紹介します。
分類
- 直接進路・職業選択へ影響した
- 間接的に進路・職業選択へ影響した
- 成長・人格形成に対して影響した
- 影響はなかった・わからない
分類方針の詳細はこちら
直接進路・職業選択へ影響した
IT企業に就職できた
大卒になれ初任給に影響した
志望業種のブラスポイントになった
第一希望の就職ができた
中高一貫校に合格できた
学力が向上し、希望する大学進学・就職につながった
特定の資格取得や専門的スキル習得に役立った
語学・ITが大学進学や職業選択に影響
間接的に進路・職業選択へ影響した
進学や職業選択に部分的に関連
大学進学とその後のキャリアに役立った
大学進学・資格取得に役立った
人付き合いのスキル向上
知識が生活力や人脈形成に役立つ
成長・人格形成に影響した
頑張る力は身に着けたと感じます
学業と両立の中で心のよりどころになった
上下関係の中での自己位置付け
広い視野やコミュニケーション能力の向上
無影響またはわからない
費用をかけた影響を感じない
特に職業には関係なかった
本人の自覚や努力での結果
直接もしくは間接的に進路・職業選択への効果があった費用項目
順位 | 費用項目 | 割合 | 回答者数/全体回答者数 |
---|---|---|---|
🥇1位 | 資格取得のための講座・検定 | 88.9% | 8/9 |
🥈2位 | テクノロジー機器の購入(パソコン、タブレットなど) | 79.1% | 34/43 |
🥉3位 | 大学進学のための貯蓄・投資 | 74.4% | 131/176 |
直接影響した項目と、間接的に影響した項目については3位大学進学のための貯蓄・投資がもっとも回答人数は多い項目でした。全体回答者数に対して特に割合が大きかったのは、資格取得のための講座・検定、テクノロジー機器の購入でした。
資格に対する回答者のコメント
資格取得の投資は、就職に結びつき影響力の高い結果につながっている傾向が見られます。
・将来の就職先のために再就職に困らない
・本人次第ではあるが資格があると自信にもつながるし今現在子供は資格をとっていたことが役に立っていると思う。
テクノロジー機器の購入に対する回答者のコメント
資格同様にテクノロジー機器の購入費用にお金をかけた回答者も将来に影響力の高い結果につながったという回答がありました。
・趣味、語学、ITに費用をかけた理由は、大学、その先で必ず役に立つから。語学、ITは大学進学や職業の選択に大きく影響したと思う
・子供の意思による提案を受け入れた。IT企業に就職できた。
大学進学のための貯蓄・投資
最後に大学進学のために貯蓄・投資をして、結果子どもが希望の進学が叶った回答者に関しても、事前に準備していた費用が子供の将来へ影響を与えたと認識しています。
・高校卒業後留学の希望があったので、中学生の時から計画的に資金の準備をした。英語力や視野の広さが養われた、英語力を武器に海外事業部への就職をした。
・長男と次男の大学在学がダブったのでお金が必要だった。県外の大学にも進学する選択ができた。
成長・人格形成に対して影響があった費用項目
順位 | 費用項目 | 割合 | 回答者数/全体回答者数 |
---|---|---|---|
🥇1位 | 海外留学・ホームステイ | 20.8% | 5/24 |
🥈2位 | 部活動の活動費(遠征・合宿費用など) | 18.6% | 18/97 |
🥉3位 | 習い事(音楽、スポーツ、芸術など) | 18.2% | 20/110 |
成長・人格形成に影響した項目に関しては、コミュニケーション能力や頑張る力など、勉強や進路に影響があったという回答を分類しました。
海外・ホームステイに対するコメント
・海外留学費用が特に1番かかったが、外国語習得が出来た事や就職にとても役にたった。本人の考えが広くなり物事を大きくとらえられるようになった。
・やりたい事をやらせる為。自分の事は自分で決められるようになった
部活動の活動費に対するコメント
・子どもが自身の意思で選択したことが充分にできるように応援したいと感じたため。どのような選択をしても、親として希望を叶えてやりたい、満足させてやりたいと感じた。子どもはそれらの活動をとおして、自身を見つめ、より確かな目標を持って努力することができたと感じている。
・息子は希望の高校に入り硬式野球をやり、高校も皆勤しました。頑張る力は身に着けたと感じます
習い事に対するコメント
・子供の身につけるものとしてお金には変えられないと思ったから。受験や就職に役に立ったと思う
・ピアノとテニス、やりたいと言ったものはやらせる。一生懸命になれるものを持つことは人生を豊かにするので
・子供の興味の対象であり、良い指導者、教室に巡り会えたから。才能を伸ばし、人間としての厚みを増す、大きな財産になったと評価している
月額1万円をどう使う?専門家が教える子どもの年齢別おすすめ方法
回答者よりここまで大学進学に充てるべきというアドバイスが目立ちましたが、本当に気になるのは月1万円で何ができる?ということです。
保険・貯蓄・投資などの進学資金を用意するための方法別のメリットデメリット、さらにどれだけ運用期間があるかによって有効な方法は違います。ファイナンシャルプランナー専門家吉野裕一さんよりアドバイスをいただきましたので紹介します。
MoneySmith代表
専門家:吉野裕一
ファイナンシャルプランナー相談者一人ひとりの状況に合わせた丁寧なアドバイスを心がけ、資産運用や保険、住宅ローンなど、幅広い分野の相談に対応。コラムやセミナーなどを通じて、お金の知識を広める活動も行っている。
方法別:メリットとデメリット
まず月額1万円の使い道としてどのような方法があるのでしょうか。代表的な方法とそのメリットデメリットを紹介します。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
学資保険 無料相談する | 大黒柱に万が一のことがあっても教育費を確保できる | 現在の低金利環境で運用利回りが低い |
終身保険 無料相談する | 大黒柱が被保険者であれば、万が一のことがあっても教育費を確保できる 外貨建てなら海外の高金利を活用できる | 外貨建ては為替変動リスクが伴う 円建ては予定利率の低下により魅力少ない |
変額保険 無料相談する | 保障機能と投資の両方が備わる 長期運用で解約返戻金や保障額が増える可能性がある | 市場動向により運用成果が異なる 保険の仕組みが複雑で理解しにくい場合がある |
貯蓄・国債 金利をしらべる | 預金額が減るリスクがない 元本保証に安心感がある | 日本の低金利環境では資産がほとんど増えない 物価上昇による実質価値の目減りリスクがある |
投資(NISAなど) | 長期運用により資金を増やせる可能性がある 小額から積立できる | リスク性商品 投資額を下回る可能性もある |
子どもステージ別:おすすめの方法
子ども | おすすめの方法 | コメント |
---|---|---|
未就学児 | NISA 変額保険 | 物価上昇に備えて、インフレ率を超えるリターンを目指した運用が重要。長期での運用が可能なため、投資での積立が効果的です。 万が一の保障も加味した変額保険も有効です。無料相談する |
小学生 | 低学年 NISAや変額保険 | 低学年はまだ10年以上の運用期間があるため長期運用が可能。未就学児同様、NISAを活用した投資信託での運用が有効です。無料相談する |
高学年 定期預金や国債と組み合わせた運用 | 高学年になると準備期間が10年以下になってしまうので、投資を行う場合はリスクを抑えた運用が大切です。その他元本を確保できる国債や定期預金を組み合わせて元本を下回らない工夫が必要です。 定期預金の金利を見る | |
中・高校生 | 定期預金 国債 | 準備期間が短くなるため、大きく増やすよりも確実に貯めていくことが大切になります。利率の高い定期預金や国債などで元本を減らさない運用方法を選びましょう。 定期預金の金利を見る |
1万円追加でできる家計の見直しポイント
大学進学時の費用が大きくなることで、長期での積み立てを行うことが大切 になります。
子どもが小さいころから準備ができるのであれば、積極的に運用を行い、インフレ率よりも高い利回りを確保することで、実質でも資産を増やしていけることになります。
大学進学で考えなくてはいけないのは、学費だけではなく、家元を離れて大学に通う場合には、アパートや寮の費用、子どもの食費や光熱費など、出費が多くなります。もちろん子どもの人数が増えれば、さらにお金が必要になります。
額面だけに捉われず、実質の価値を考えた準備方法も必要です。
まず収入から余った分を貯蓄するのではなく、目的に合わせた貯蓄を優先して余った分で生活していくことも考えて資金計画を行いましょう。
編集部考察:資金準備の重要性
今回子育てを終えた親250名への調査結果から、児童手当を利用した「資金準備の重要性」が浮き彫りになりました。
調査の考察
- 児童手当は大学進学資金の準備に充てるべきとの意見が多数
- 「部活」や「習い事」は生きる力をつける
- 子どもに「やりたいことをやらせたい」なら計画的な資金準備を
回答者の多くは、子育て中に学習塾へ特に費用をかけていましたが、もし中高生の頃児童手当をもらえるなら「大学進学資金」で充てるという回答が目立ちました。
これは、大学進学に伴う費用が想定以上にかかったと感じる親が多かったことを示しています。
また、実際に費用をかけて満足度が高かった分野として「海外留学・ホームステイ」や「大学進学資金」が挙げられました。「海外留学・ホームステイ」の経験は異文化に触れ、視野を広げるため、子供の成長にとって非常に有益であると感じる親が多い一方で、アドバイスにおいては「進学費用の確保」を重視する回答が多く寄せられました。
勉強以外の分野の重要性を上げた回答者は少数でしたが、「部活」や「習い事」が子供の社会での生きる力や精神力を養う場として、良い影響を与えたと評価する回答者が多く、アドバイスでも同様の費用にお金をかけるべきと回答が目立ちました。 子育てを振り返って重要な項目だったとを強く実感していることがわかります。
一方で、スポーツや芸術など、中高生の時点で特段の興味や才能がみられない場合には、 まずは大学進学の選択肢が重要であるため、そのための資金をしっかり準備しておくべきという意見もありました。
実際、大学在学中にやりたいことや、就職への希望などが具体的になったというコメントも見られました。
以上のことから、本調査結果から、計画的な資金準備に対する強い意識と準備は、「やりたいことをやりたい・やらせたい」という親子の希望を実現するために不可欠であることが明確になったといえます。
アンケート調査概要
今回のアンケートについて、質問事項や調査の詳細を紹介します。
アンケートの概要
アンケート概要 | |
---|---|
対象 | 子どもが独立している男女250名 |
期間 | ■スクリーニング調査:スクリーニング調査:2024年10月20日 ■本調査:2024年10月21日~22日 |
人数 | ■スクリーニング調査:2,000名(男性:1,440、女性:560) ■本調査:250名(男性:155、女性:95) |
方法 | インターネット調査 |
機関 | アイブリッジ株式会社 |
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設問内容 | ■スクリーニング調査(男女2,000名) Q1: 下お子様の人数を教えてください。 Q2: 現在、お子様が完全に独立しているかどうか教えてください。お子様が複数いらっしゃる場合は長子についてご回答ください。 Q3: 独立したお子様の【最終学歴】について、以下の表にご回答ください。(独立したお子様が3人いらっしゃる場合は、主要なお子様3人についてご記入ください) Q4: すでに独立したお子様が【中学生・高校生】だった時期、世帯の働き方はどのようなものでしたか? Q5: お子様が中学生・高校生だった時期に、子育てや教育費について特に工夫されたこと、大切にされていたご家庭の方針などがありましたら、簡単にお聞かせください。 ■本調査(男女250名) Q1: お子さまが中学生から高校生までの間に、特に費用をかけた項目について、次の中から1番目から3番目までを順にお選びください。(「教育機関への学費」「食費」「医療費」は除きます) 選択肢: 学習塾・予備校-習い事(音楽、スポーツ、芸術など)-部活動の活動費(遠征・合宿費用など)海外留学・ホームステイ-資格取得のための講座・検定-テクノロジー機器の購入(パソコン、タブレットなど)家庭での学習環境整備(書籍、学習机など)-大学進学のための貯蓄・投資-その他 Q2: 中学生・高校生で特にかけた費用について「その他」と回答した方は、具体的にご回答ください。 Q3: 番目から3番目にかけたそれぞれの費用について振り返った結果、お金をかけて良かったと感じますか?-5段階評価 Q4:特に費用をかけた項目について具体的にお伺いします。なぜそれらの項目に費用をかけようと考えましたか。また、その費用はお子様の進路や職業選択にどのように影響しましたか。 Q5:もしお子様が中学生から高校生だった時に月額1万円の児童手当が支給されていたとしたら、今の社会情勢を考慮して、どの費用項目に優先的にお金をかけるべきだと思いますか? Q6:前問で選んだ費用項目について、なぜその項目にお金をかけるべきだと考えましたか? その理由を具体的にお聞かせください。また、これから高校生までの間に児童手当を受け取るご家庭に向けて、費用の使い方や子育てに関するアドバイスがあれば、具体的にお書きください |