マンション火災保険 早見表
| 必須補償 | 火災・落雷、給排水事故(水漏れ)、個人賠償責任特約 |
| 状況次第で検討する補償 | 風災(ベランダがある場合)、水災(1階または浸水リスクが高い地域) |
| おすすめの契約期間 | 5年契約(保険料が値上がり傾向のため) |
| 建物保険金額の目安 | 専有面積 × 新築1㎡あたりの単価で算出(分譲時の購入価格そのものではない) |
| 保険料の目安 | 年間27,280円~41,720円(中古マンション・築20年・専有80㎡・地震保険込み、水災補償なしの場合) |
マンションにおすすめの火災保険を選ぶ基礎知識
火災保険とは火災だけでなく、水災、落雷、風災などのさまざまな災害リスクに対しての補償が受けられる保険です。まず大前提として、火災保険の補償対象となるのは建物のみであることを理解しましょう。
家の中の家具や家電に対しての補償は、家財保険を付加する必要があります。また、さまざまな自然災害に対しての補償がついていますが、地震が原因で起こった火災や土砂災害などは補償されません。
そのため、すべての自然災害の補償と建物や家具の補償を受けたい方は、火災保険に家財保険と地震保険を付加する必要があります。戸建てにお住まいの方は戸建てにおすすめの火災保険もあわせてご覧ください。
火災保険の補償対象と保険金の上限
| 火災保険 | ||
|---|---|---|
| 建物 | 屋根・床・壁などの損害を補償 | 保険価額まで |
| 家財 | 家具・家電などの損害を補償 | 設定金額まで |
| その他 | 個人賠償責任保険 臨時費用 失火見舞い金など |
それぞれの限度額まで |
地震保険の補償対象と保険金の上限
| 地震保険 | ||
|---|---|---|
| 建物 | 屋根・床・壁などの損害を補償 | 火災保険価額の30%~50% 5000万円限度 |
| 家財 | 家具・家電などの損害を補償 | 火災保険価額の30%~50% 1000万円限度 |

この記事では火災保険について解説します。
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火災保険が必要な理由
マンションは共有スペースが多いし、火災保険はいらないのでは?と思う人もいるかもしれません。住宅ローンがあれば火災保険加入はローンの条件として必須ですが、ローンが終わったマンションでも火災保険は必要です。
- 隣家の火災を受けた場合でも損害賠償請求できない
- 水漏れのリスクがある
- ベランダなどは風災被害のリスクがある
- 地域や居住階によっては水災リスクがある
火災保険では地震による内装の破損や家具の損害は補償されません。地震の補償をカバーする場合は火災保険に追加して地震保険に加入する必要があります。
マンションで想定される具体的なリスク
🔥隣家の火災への対応
マンションの場合、一戸建ての住宅に比べて隣家との距離が近いため、隣家で起こった火災に巻き込まれる危険性があります。日本は失火法により重大な過失がない火災の場合、隣家に対して損害賠償することはできませんので、専用部分の修復、家財の損害は自分の保険でカバーする必要があります。
💧水漏れのリスクが高い

マンションは水漏れのリスクが高いことをご存じでしょうか?マンションの水漏れの原因は排水管の詰まりや給水設備などの劣化、または上階住民による過失などです。 自分では防ぐことができない原因が多いため、「水漏れ」の補償を付けましょう。
🏙️水漏れで被害を受けた場合...火災保険の水漏れ補償
🛁水漏れで他人の部屋に被害を与えた場合...特約の個人賠償責任保険
⚠️台風や大雨による浸水などの被害は「水漏れ」補償ではなく、「水災」補償の対象となります。
マンションの火災保険の設定方法
マンションの火災保険はどのように設定するのでしょうか。火災保険の建物に該当する部分について、マンションの場合は「共有スペース」と「専有スペース」に分かれます。
「共有部分」はマンションの管理組合が保険をかけていますので、自分で保険をかけるのは「専有部分」+「専有部分にある家財(家具・家電)」となります。
マンションの火災保険の対象範囲(共有部分・専有部分・家財)
| 建物 | 共有部分 | 管理組合の保険 |
| 専有部分 | 居住者の保険 | |
| 家財 | 居住者の保険 | |
火災保険保険料は「建物・家財の保険金額はいくらか」「補償範囲はどうするか」という2軸に対して、マンションのある地域や、建物の構造を加味して保険料が算出されます。 まずはマンションの保険金額について確認しましょう。
建物の保険金額:分譲マンションの価格ではない
建物の保険について、マンション専有部分の金額は分譲マンションの購入額とは一致しません。なぜなら購入金額には土地代や共有部分の建物代金も含まれているからです。
基本的には専用部分の設備や内装部分が補填できればよいので、火災保険の見積もりでは、専有部分の平米数に、その地域の新築1平米当たりの単価をかけた金額などで算出されることがあります。(新築費単価法)
70㎡マンションで、新築1平米当たりの単価が20万円の場合...
70㎡×20万円/㎡=1,400万円
上記の計算から、1,400万円が再調達価額となり保険金額とします。
1400万円以下で保険金額を設定することを「一部保険」と言いますが、必要な保険金が受け取れない可能性がありますのでおすすめしません。
家財の保険金額:かけすぎていないか注意
建物の保険金額が決まったら、次は家財保険の保険金額を設定します。この保険金額は各家庭が持っている動産を合計していくらになるかという考え方で算出します。
インテリア、書籍、洋服、家電、家具、パソコンなどを総合していくら必要か是非考えてみてください。保険会社では家族構成と平米数で平均の家財保険金額が出ていますが、1000万円など高額な設定もありますので、本当に必要な額だけ設定しましょう。
補償範囲:基本補償と特約を選ぶ
保険金額が決まったら次に補償内容を決めます。
マンションに必要な基本補償の重要度
| 基本補償 | |
|---|---|
| 補償内容 | マンションの場合の重要度 |
| 火災落雷 | ◎ 必須 |
| 台風などの強風による損害(風災) | 〇 ベランダがある場合はあった方が良い |
| 豪雪・雪崩による損害(雪災) | △ 地域による |
| 豪雨などによる建物浸水損害(水災) | △ 地域によるが、低層階はあった方が良い |
| 土砂崩れ損害 | △ 地域による |
| 給排水の事故(水漏れ) | ◎ |
基本補償についてはマンションの場合、風災・給排水事故は補償しておくべきといえます。
水災補償は、床上や地盤面より45㎝以上浸水した場合や、土砂崩れなどが主な補償対象になります。水災補償を付加したした方が良いケースは下記のとおりです。
- 予想浸水が50㎝以上の地域に住んでいる人
- マンションの1階に住んでいる人
- マンション周辺に山や崖がある人
台風や豪雨で川が氾濫した際の自宅の予想浸水は、ハザードマップで確認できます。予想浸水が50㎝以上だった場合は、水災リスクが高い地域と言えるため水災補償を必ずつけましょう。
雪、土砂崩れについても、地域によって必要度合いが違いますので居住地域のハザードマップなどをよく確認しましょう。
マンションに必要な特約(追加補償)の重要度
| 追加補償の特約 | |
|---|---|
| 補償内容 | マンションの場合の重要度 |
| 破損・汚損損害 | 〇 子どもがいる場合はあったほうがよい |
| 失火見舞費用 | △ あった方が良い |
| 個人賠償責任補償特約 | ◎ 水漏れを起こした場合に備える |
| 臨時費用特約 | △ あった方が良い |

🧸破損・汚損損害
子どもがおもちゃを投げて窓ガラスが割れた。模様替えをしていて壁を破損させた。といったように日常生活で起こる可能性のある損害をカバーします。 火災の補償より使う可能性がある保険ですので、保険料は高くなりますが子どもやペットがいる場合は大事な家を守るためにつけておいた方が良いといえます。
🔥失火見舞費用
自宅で火事を起こした場合、延焼被害を受けた近隣へのお見舞い費用です。賠償責任はありませんが、アパートやマンションは近隣が近く、燃え広がる可能性がありますのでできれば入っておいた方が良いといえます。
⚖️個人賠償責任補償特約
自宅で水漏れを起こしてしまった。専有スペースにある給排水設備が壊れて階下の部屋に被害を与えた。といった場合に賠償金をカバーする特約です。特に中古のマンションなどでは水漏れリスクがありますので付帯しておくべきといえます。 個人賠償保険は自動車保険など他の保険にも補償がありますので、火災保険でなくてもどこかの保険で加入していれば安心です。
🏨仮住まい補償特約
マンションが大きな被害を受けた場合、必要なのは修理費用だけではありません。 たとえば、調査費用やガレキの撤去代、修理の間の仮住まい代などのさまざまな費用がかかります。すべて補償範囲に入っている商品もあれば、修理費用のみの商品もあります。 マンションでは「仮住まい費用」が役に立ちます。万が一のときに自分で新たにホテル代を払わなくて済む補償です。
💴臨時費用補償特約
火災保険には使い道が自由な、臨時費用補償特約があることをご存じでしょうか?自宅が被害を受けた際は上述したように、修理費用以外にも何かとお金が必要になるものです。そんなときに臨時費用補償特約があれば、追加で保障を受けられるので、食費や交通費、生活費などに自由に使うことができます。
マンションの火災保険を選ぶポイント
火災保険の必要性について理解したところで、ここからはマンションの火災保険を選ぶポイントについて解説していきます。「大手の損保会社とネット型の損保会社、どちらを選べばいいの?」「補償内容はどこまでつけるべき?」などさまざまな疑問がある人も多いでしょう。
大手とネット型
まず、火災保険の商品はさまざまな保険会社が販売していますが「対面型の大手損保会社」とインターネットで申し込みや手続きが完了する「ネット型の保険会社」の2つに分けられます。それぞれにメリットとデメリットがあるので、どちらが自分に合っているのか確認してください。
🏢大手代理店型損保
大手損保会社のメリットと言えば、担当者からさまざまなサポートを受けられることです。対面型のため、疑問点や不安に思うことも相談しやすく、安心感が得られるでしょう。一方で、ネット型よりも保険料が割高なことがデメリットと言えます。また、申し込みや手続きの際に代理店に出向く必要があるため、忙しい人にとっては負担になるかもしれません。
💻ネット型損保
ネット型のメリットは、24時間どこからでも手続きができる点です。また、保険料が大手損保に比べて安いのも大きなメリットと言えるでしょう。しかしインターネットを使い自分で手続きを行うため、すべて自分主体で動く必要があります。「教えてもらいたい」「すぐに相談できる環境が良い」という人にとってはあまりおすすめできません。
補償内容を決める
火災保険を選ぶ際に重要なのは補償内容です。火災保険は火災などの基本的な補償以外は、自分で補償を選択し付加する必要があります。マンションにおすすめの補償項目は前述のとおりです。
「火災保険」・「水漏れ保険」・「個人賠償保険」はマンションの場合つけておいた方が良いといえます。その他特に保険料に影響する「水災」については、ご自身の状況によって要不要を確かめてみましょう。各社の満足度や規模を比較したい方は火災保険会社ランキングも参考にしてください。
マンションにおすすめの火災保険
実際にマンション向けの火災保険はいくらになるのか。セレクトラ編集部で「対面型の大手代理店」「ネット完結型」「共済」の3タイプから見積もりを取得し比較しました。
保険料は建物の構造や築年数、専有面積、地域によって大きく変わります。ご自身のマンションでの保険料を知りたい方は、保険スクエアbang!の無料一括見積もりで最大41商品をまとめて比較してみましょう。
マンション(中古)・築20年(2006年築)・M構造・専有面積80㎡・東京都
建物保険金額:1,660万円
家財保険金額:500万円
地震保険:あり
下記の保険料は2026年7月21日時点で各社の公式サイト・見積書から取得した実際の金額です(1年契約の場合)。今回の見積もりでは3社とも水災補償を選択していません。低層階にお住まいの方や浸水リスクが高い地域にお住まいの方は、水災補償を追加することをおすすめします(追加した場合の保険料は本記事の見積もりに含まれていません)。
火災保険料は自然災害の増加により保険料率が上がる傾向にあります。特に引っ越し予定など特別な事情のない場合は5年契約としておくことをおすすめします。
損保ジャパン「THEすまいの保険」(ベーシックⅠ型)
対面型の大手代理店損保である損保ジャパンの「THEすまいの保険」(ベーシックⅠ型・しっかりプラン)をご紹介します。
建物の保険金額は専有面積80㎡から自動で算出され、購入価格の入力はできません。今回の見積もりでは水災補償は選択しておらず、風災・物体飛来・水濡れ・破損汚損の一部にのみ5万円の自己負担額が設定されています。
保険料は火災保険部分が年間12,010円、地震保険部分が年間29,710円、合計で年間41,720円となっています。
参考:損保ジャパン簡易試算(web.sjnk.jp、2026年7月21日確認)
ソニー損保「新ネット火災保険」(水災除く・フルカバー)
2020年より5年連続オリコン顧客満足度1位を獲得しているソニー損保の「新ネット火災保険」をご紹介します。
建物の保険金額は損保ジャパンと同額です(専有面積ベースの自動算出が一致)。類焼損害・個人賠償責任・臨時費用・破損汚損の各特約がセットになっており、基本補償と破損汚損特約にそれぞれ5万円の自己負担額があります。
保険料は火災保険部分が年間14,157円、地震保険部分が年間26,780円、合計で年間40,937円となっています。
参考:ソニー損保「ソニー損保の新ネット火災保険」(見積書PDF、2026年7月21日確認)
こくみん共済coop(全労済)「住まいる共済」(マンション専用プラン)
マンション向けに風水害部分を省略できる専用プランを利用し、地震保険部分のみを共済で備える構成です。類焼損害保障特約・個人賠償責任共済を含みます。
保険料は火災保険部分が年間5,400円、地震保険(地震のみ)部分が年間17,280円、合計で年間27,280円と3社中もっとも安価です。ただし地震保障額は合計648万円と、他社(1,080万円)より保障割合が低めに設定されている点に注意しましょう。
参考:こくみん共済coop見積もりPDF(2026年7月21日確認)
保険料のまとめ
| 会社名 | 損保ジャパン | ソニー損保 | こくみん共済coop |
| 火災保険部分 |
12,010円 |
14,157円 |
5,400円 |
| 地震保険部分 |
29,710円 |
26,780円 |
17,280円 |
| 合計保険料(1年) |
41,720円 |
40,937円 |
27,280円 |
| 水災補償 |
なし(今回未選択) |
なし(今回未選択) |
なし(省略プラン) |
見積条件:マンション(中古)・築20年(2006年築)・M構造・専有面積80㎡・東京都、1年契約。建物保険金額1,660万円・家財保険金額500万円。
出典:損保ジャパンweb.sjnk.jp簡易試算、ソニー損保見積書PDF、こくみん共済coop見積もりPDF(いずれも2026年7月21日確認)。
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マンションの火災保険に関するよくある質問
ここまでの内容を踏まえて、マンションの火災保険に関してよく寄せられる質問にお答えします。
住宅ローンを利用している場合、火災保険への加入はローンの条件として必須です。ローン完済後のマンションでは法律上の義務はありませんが、隣家の火災を受けても損害賠償請求できない「失火責任法」や、給排水設備の劣化などによる水漏れリスクを考えると、加入をおすすめします。
はい。マンションの「共有部分」は管理組合が保険をかけているため、居住者が個人で保険をかける必要があるのは「専有部分」と「専有部分にある家財(家具・家電)」のみです。
特別な事情がない場合は5年契約がおすすめです。火災保険は自然災害の増加により保険料率が値上がりする傾向にあるため、長期契約のほうが保険料をお得に抑えられます。
マンションの1階に住んでいる方、ハザードマップで予想浸水が50cm以上とされる地域にお住まいの方、周辺に山や崖がある方は水災補償の付帯をおすすめします。それ以外の階・地域では優先度は下がりますが、ハザードマップで確認したうえで判断しましょう。
分譲マンションの購入価格には土地代や共有部分の建物代金が含まれているため、そのまま保険金額にはなりません。専有部分の平米数に、その地域の新築1平米あたりの単価をかけた金額(新築費単価法)などで算出されます。
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火災保険の概要やマンションにおすすめの補償、火災保険商品をご紹介しました。
マンションは一戸建てほどの被害を受ける可能性が少ないこともあり「必要ないのでは?」と思っていた人もいるかもしれません。しかし、マンションならではのリスクや必要な補償があることをご理解いただけたのではないでしょうか?
起こりうるリスクを予測し、いざというときに本当に必要な補償を備えることは、マンションだけでなくあなたやあなたの家族を守ることにも繋がります。ぜひこの記事を参考にして、自分のマンションに合った補償や商品を見つけてください。