「保険勉強しにいこか?」でおなじみのほけんの窓口。本当に無料で相談ができるのか?相談したら強い営業をかけられるのでは?と身構えてしまうのが本音です。そこで「ほけんの窓口」での保険相談について、評判・口コミと、記者が実際に相談を受けた経験から徹底的に解説していきます。
ほけんの窓口ってどんな会社?
ほけんの窓口はソニー生命の営業マンが設立した来店型の保険ショップです。
1995年に会社を設立し、2000年に1号店がオープン。2006年に「ほけんの窓口」のブランド名となりました。2023年の現時点で全国に806店舗を展開する国内最大の保険ショップに急成長しています。
会社名 | ほけんの窓口グループ株式会社 |
---|---|
ブランド名 | ほけんの窓口 |
店舗数 | 803店舗 |
年間相談件数 | 840万件 |
取り扱い保険会社数 | 40社 |
インターネットが爆発的に普及した時代に、来店型でこれだけ急成長しているということは、他の保険相談に比べてメリットがあるといえます。どのような特長があるのでしょうか?
ほけんの窓口以外にはどんな相談方法があるの?
自分のライフプランも考慮してプロにじっくり保険を相談したい。オーダーメイドに商品設計も提案してほしいと考える場合、私たちには大きく3つの相談先があります。
- 保険ショップ
- 保険会社のライフプランナー
- ファイナンシャルプランナー
3つの相談先の特徴を比較表にしました。
相談先 | 保険ショップ | 保険ライフプランナー | ファイナンシャルプランナー(FP) |
---|---|---|---|
たとえば | ほけんの窓口 | ソニー生命 | 個人相談 |
業態 | 保険代理店 | 保険会社 | アドバイザー |
相談場所 | 店舗・オンライン | どこでも | どこでも |
相談料 | 無料 | 無料 | 無料・有料(1万円/時間など) |
検討可能な商品 | 複数社 | 一社 | 複数社 |
コンサル・商品設計 | 〇 | 〇 | 〇 |
申込み手続き | 〇 | 〇 | ✖ |
🤔インターネットで完結出来ないの?
資産運用も考えてオーダーメイドで保険を組み立てたい希望がある場合、ネット申し込み型のシンプルで割安な保険商品は選択肢から外れます。 ネット型保険商品は合理的に保険加入したい人には向いていますが、相談して保険を組み立てたい人とはニーズが違うため比較できません。
保険ショップの特徴
- 相談無料。複数社の商品から顧客に合わせて提案してくれる。
- オンライン相談できるが、契約は店舗に足を運ぶ必要がある。
保険ライフプランナー
- 相談料無料。時間・場所柔軟に相談可能。顧客に合わせて提案してくれる。
- 提案できるのは自社商品のみ
ファイナンシャルプランナー(FP)
- 客観的に提案ができる
- 相談料が発生する。保険契約ができない
それぞれの相談で長所・短所があります。このように他の選択肢もある中で保険ショップ型の「ほけんの窓口」が選ばれている理由はどこにあるのでしょうか。
ほけんの窓口が急成長した理由
ほけんの窓口の創業者はもともと 保険ライフプランナーとして働いていました。しかし保険会社の営業では自社商品しか売れません。 「ライフプランナーの強みは活かしつつ提案できる商品は複数あった方が良い」という点に目を付けてほけんの窓口を設立し、 商品の比較検討をしたい契約者側のニーズが合致して急成長したといえます。
「顧客満足度を追求すると、1社専属の職員よりも、あらゆる会社の保険を取り扱い、中立的な立場で提案する来店型保険ショップに絶対的な自信がある」
引用:ふくおか経済EX 保険の流通向上に革命を「来店型保険ショップ」のパイオニア
なぜ無料で相談できるのか?そのからくりは?
無料相談を売りにしていますが「ただより高い物はない」といわれるように、どうして無料相談できるのでしょうか?気になります。しかも駅前などの不動産一等地にたくさん店舗があるのに経営は大丈夫なのでしょうか。
さらに雇っているスタッフはファイナンシャルプランナーの有資格者など、相談のレベルも高いようで「本当にお金いらないの?」という口コミもありました。
初めてほけんの窓口に行ってみた。
保険に関して何となく負の印象があって今まで避けてたけど、もっと早く行けば良かった。
会社の健保の制度まで調べて、どのリスクにどの程度備えればいいかを一緒に検討してくれた。
来週も相談に乗ってくれるそうで、本当にお金いらないの?って感じ。— お金大好き夫婦@STEPN沼 (@mezaseslowlife) March 13, 2022
慈善事業ではありませんし、顧客にすぐに来てもらうためには利便性の良い場所に店舗を置く必要があります。さらに相談に対する高い満足度を維持するためには優秀なスタッフを雇用する必要があります。
相談が無料なわけ 相談窓口から申し込みのあった保険契約に対して、保険会社から「ほけんの窓口」へ代理店手数料が支払われています。ほけんの窓口はその手数料で運営されています。
無料で相談や提案を受けられる代わりに、私たちがその提案に納得し、ほけんの窓口経由で保険契約した場合、ほけんの窓口は契約先の保険会社から手数料を得ることができるのです。
最新情報では契約数300万件。
ご契約件数300万件のうち、55.9万件(一時払契約を除く)は、保険会社さまを介して頂戴している代理店手数料の収受期間が既に終了したご契約ですが、当社は、現在の手数料収受の有無にかかわらず、ご契約のある限り、いつまでも万全のサポートをさせていただきます
引用: ほけんの窓口ValueReport2022
このように多くの契約を保有することで運営費用をまかなっています。つまり無料で相談を受け、オーダーメイドの保険提案をします。そのかわり提案に納得したら是非加入してくださいねというのがほけんの窓口の本音といえます。
相談を受ける立場としては、あまり身構えず
ほけんの窓口の評判・口コミ 本当にやばいのか?
ほけんの窓口でネット検索をすると「やばい」という評判がありますが、実際のほけんの窓口の評判・口コミはどうなのかということについて分析していきます。
他保険ショップとの口コミ・評判比較
保険ショップは「ほけんの窓口」以外にも複数あります。店舗でも雰囲気が違うと思いますので、それぞれのショップが総じてどのような口コミ・評判で評価をつけられているかの比較してみました。
検証方法 Google map の店舗毎についている口コミの平均と、口コミの数を並べた表が下記のとおりです。それぞれランダムに表示された100店舗を抜き出し・平均評価数と口コミ・評判数を確認しています。
調査日:2023年5月20日
保険ショップ名 | ほけんの窓口 | ほけんの110番 | イオン保険相談 |
---|---|---|---|
最高5点 | 4.7点 | 4.6点 | 4.3点 |
口コミ数 | 13,332件 | 2,946件 | 930件 |
ほけんの窓口は断トツの口コミ数でありながら、高評価を得ています。 これだけ口コミ数があれば悪い評価がつく可能性も高くなります。そのため口コミ数と評価数値から判断すると、ほけんの窓口は他ショップに比べて相対的に「高評価」といえます。
ほけんの窓口の良い評判・悪い評判
Twitter や Google からほけんの窓口に対する評判を確認して、主な内容を一覧にしました。
客観的には良い評判のボリュームが多かったですが、悪い評判も少なからずあるため相談という性質上、満足度は「担当の対応」が全てになることがわかります。担当者との相性で評判は賛否両論のようです。
項目 | 良い評判点口コミ | 悪い評判・口コミ |
---|---|---|
雰囲気 | 何度も親身になって相談に乗ってくれた | 売りたい雰囲気が伝わってきた |
提案力 | 公的保障・NISA・iDeCoの説明もしてくれた | 担当任せで契約して後悔 |
事務処理 | 手続き全部してもらえる | - |
その他 | 行って本当によかった | 何度も行かないといけない |
比較体験レポ:ほけんの窓口に行ってみた-相談の流れと5つの特徴
ここからは記者が保険相談をいくつか受けて客観的に経験したことの比較レポートを紹介します。
個人の感想ではありますが、比較して実際に相談を受けたことで、評判だけではわからないほけんの窓口の特徴が見えてきました。保険相談したいけど、ほけんの窓口が他の相談と何が違うのかわからない。悪い評判が気になるという方には参考になると思います。
1.相談の入り方がスムーズ
- 相談を終えたい時間
- 相談で知りたいこと
- 病気診断はないか。会社関係者ではないか。
まずは、相談前に知っておかなければいけないことをきっちり確認したうえで相談に入ります。これは当たり前なのですが意外と大事なのです。
相談に入ると結構あっという間に時間が過ぎていきます。他の来店型ショップでは、初めに終了したい時間の確認がなかったため、焦って切り上げるようなことがありました。
ここに注意! ほけんの窓口の特徴であるじっくり相談のメリットを受けるには、1回の相談で1時間半から2時間程度の相談時間は必要です。
アンミカさんのCMにあるように「買い物ついでによってや」という時間ではありませんので、時間がない人は、はじめにはっきり伝えましょう。
2.いきなり商品説明に入らない・じっくり相談型
まず記者の保険加入状況を確認してもらいましたが、個別保険の説明は一旦脇に置かれます。
まず、生命保険とはどのようなものか?の説明をしたうえで、知りたいことの確認があります。次に家族構成や貯金・予算を説明します。
最後に、家族に万が一のことがあった場合、現在から将来にわたっていくら必要か。そのうち公的保障される金額はいくらかなど遺族年金など複雑な計算のシュミレーションをして必要保障額を割り出してくれます。
これらのやりとりに30分以上はかかります。このような説明なしにいきなり個別保険の紹介に入る保険ショップもありました。好みは人それぞれですが、ほけんの窓口はじっくり相談型といえます。
ここに注意! 必要保障額はきれいに算出してくれますが、将来の必要額が配偶者の稼ぎだけで計算されていたため疑問に思いました。
公的補助はもちろん、残された家族の将来稼ぎなども加味することで必要保障額は少なくなります。するとその分掛ける保険も縮小されます。 必要保障額はとても重要で、この金額にそって保険提案されます。担当者に計算してもらった保障額は鵜呑みにせず、自分でも一度考えてみる。疑問があれば修正してもらうことをお勧めします。
3.説明がわかりやすい=質問に答えやすい
来店で相談すると担当者の手元のメモで商品概念など図形を書きながら説明してくれるので何を話しているのか、すっきり理解ができます。
そのため、向こうからなにかを質問されたり希望を聞かれた際に理解しているので答えやすいのです。
他の保険ショップでは、そもそも説明されている保険商品の細かい理解が追いついていないため、一体何を質問されているかわからないことが多発していました。
ただし残念ながら説明に使っている担当者側のメモをもらうことはできません。メモの写真撮影も禁止です。
4.相談中の待期時間が最小限
必要保障額ではシュミレーションをしますし、保険提案では見積もりを希望に沿って手直しして提示してもらいます。
来店型保険ショップでは意外と担当はシステムを操作。相談者は待っているという時間があるのです。
そもそもシステムが動かなかったり、何度も見積を印刷したり、見積もりの変更入力でかなりの時間がとられる保険ショップもありました。 ほけんの窓口に関しては操作がスムーズで待ち時間少なく、見積もり印刷も最小限だったので他社に比べて無駄な時間が少ないといえます。
5.意外な提案があった
記者の貯蓄額を確認して、自分では調べきれなかった保険商品の提案がありました。 他の来店型ショップではどちらかというと、保険商品の比較が中心でしたので、提案という面発見があったのはほけんの窓口といえます。
ここに注意! 提案直後はとても魅力的に感じますが、そのまま突き進んで後悔をしないように、提案された保険は持ち帰って冷静に確認しましょう。
相談した後の営業は激しくない?ごり押しされるのは困る。
ほけんの窓口への不安としては、提案された商品を何度もしつこく勧誘されるのではないか。断るのが大変なのではないか。ということが挙げられると思います。強い保険勧誘を受けていい気持ちはしないものです。
記者の経験では相談後にメールがあっただけで、電話などで強い営業を受けることはありませんでしたが、実際はどうなのでしょうか?
この点はほけんの窓口で働いている方の評価レビューの方が参考になると思いますので紹介します。
ほけんの窓口内部事情からの推測 固定給の割合が大きいため相談員には余裕がある印象。ただし成果による評価もあるため保険勧誘は積極的に行っている。
レビューを見ると何が何でも契約というような雰囲気はないので、激しい営業を受けるということはないと考えられます。
しかし。繰り返しますがほけんの窓口は保険契約の手数料で運営されているため、相談に行けば少なからず積極的に保険紹介を受けることにはなります。
全体的にみると締め付けや数字の追い込みなどもなくかなり働きやすいと思います。 有休をとることも推奨されているので休めるし、半休、時間休も店舗スタッフとの相談次第でとりやすいです。・・・
—組織体制・企業文化・営業10年から15年 現職 中途入社男性 2023年4月22日
給与制度:固定給の割合が多いので安定しているがインセンティブを求める人には少し物足りない
—男性・営業・退職済み・中途入社・正社員 2023年4月22日
ほけんの窓口で相談するメリット・デメリット
これまでの情報を踏まえて、ほけんの窓口での相談についてメリットとデメリットを整理します。
メリット
デメリット
デメリットで気になるところとしては、資産全体の相談はできるものの保険の話が中心になる点です。
ほけんの窓口の一番の目的はやはり相談者が取扱保険会社の保険に加入してもらうことですので、保険に寄った提案になりがちです。
しかし、資産に関するテーマは保険だけではなく、限られた資金を保険・NISAやiDeCo・投資信託とどのように配分するかに大きな関心が集まっています。
ほけんの窓口もその需要はつかんでいるようで、将来的には金融商品の取り扱いに向けて動いているようです。
ほけんの窓口、金融商品仲介業に進出へ NISA拡充に的
引用:日本経済新聞2023年3月7日
伊藤忠商事系の保険ショップ大手、ほけんの窓口グループ(東京・千代田)は投資信託などの仲介業に乗り出す。今秋の金融商品仲介業への登録を目指し、保険相談で来店した顧客に保険とセットで提案する。2024年に控える少額投資非課税制度(NISA)の拡充を追い風と捉え、収益化を目指す動きが出てきた。
ほけんの窓口の注意点
ほけんの窓口は親身に相談に乗ってくれますし、提案してくれる内容は「こんな保険商品もあるのか。」という自分の知識では思いつかない気づきがあります。
その一方で、あくまでも保険代理店であることは念頭に置いておきましょう。言われるがままに契約したあと、自分なりに情報を集めて後悔している口コミもありました。
事前になんとなくでも今入っている保険や必要保障額についてネットなどで情報収集をする。提案を受けたら冷静に調べる時間をとるなどすると、より納得のいく保険に出会えるのではないでしょうか。
- 保険金はいくらかけるべきか?必要な保障額を自分でも考える。
- 相談で出てきた提案は持ち帰って客観的に調べる。
まとめ:ほけんの窓口をおすすめする人
いかがでしたでしょうか。これまでの情報をもとにほけんの窓口をおすすめする人をまとめてみます。
- 気になる保険があるけどいまいち理解できない
- 今加入している保険にとらわれず、全体的に保険の見直しをしたい
- 複数保険会社の商品から自分に合ったものを提案してほしい
- 手続きやサポートは一括でお願いしたい
- なるべくごり押し営業は受けたくない
必要な保障は自分で管理できる。割安合理的なネット保険で充分。という方には正直おすすめできません。しかし無料で気軽に相談できる点では誰にでもメリットがありますので、ライフスタイルの変化などがあれば有益な相談ができるかもしれません。
ほけんの窓口よくある質問
それでは最後にほけんの窓口についてよくある質問をまとめました。
質問1:どうして相談は無料なのですか? |
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回答1 相談者がほけんの窓口で保険契約をした場合、保険会社より代理店手数料が支払われます。そのため相談は無料で実施できています。 詳しくはほけんの窓口のからくりで説明しています。 |
質問2:ほけんの窓口は保険会社ですか? |
回答2 ほけんの窓口は「保険会社」ではありません。「保険代理店」です。 「保険会社」は契約者と保険契約を締結する会社です。契約に基づいて契約者は保険料を支払い、保険金を支払う事案が発生したら保険金を支払う企業です。 一方、 「保険代理店」は各保険会社が売っている保険商品を保険会社に代わって顧客に販売します。また契約の内容変更などの事務処理を保険会社に代わって行います。 |