【電気・ガス料金支援が7月から再開】たいして安くならない?本当に安くなるのはどれくらい?疑問にお答えします。

「電気・ガス料金支援」が7月からスタート
7月より3か月間、経済産業省による「電気・ガス料金支援」が開始されます。7月使用分、8月使用分、9月使用分の 電気・ガス料金が引き下げられます。
「物価高により厳しい状況にある生活者を支援するため」とされていますが、支援になるほど十分な値下げになるのでしょうか?
本記事では、使用量別に、実際にどのくらい値引きが期待できるのか確認をしました。
4人世帯なら2,500円以上電気代が安くなる可能性があるが、それは3か月間の合計
推定使用量をもとに計算をしてみました。
例えば、4人暮らしの家庭ならば、における3ヶ月間の値引き額は電気が2,688円、ガスが1,300円程、合計3,988円になると想定されます。
つまり、ひと月約1,300の値引きになります。
4人家族の想定使用量は、電気:420kWh、都市ガス:50㎥としています。
使用量が少なと値引き額も減る - 一人暮らしなら月470円程度の値引き
当然ながら、使用量が少ない場合は実際に値引きになる額も減ります。
一人暮らしで、電気・ガスの使用量が少ない場合は、合計の値引き額は1,414円で、月あたりの値引き額は471円です。
例えば、一人暮らしで自炊を全くしない、ガスをあまり使わないという人は、ガスの値引きの恩恵はさらに減ります。
一人暮らしの想定使用量は、電気:160kWh、都市ガス:15㎥としています。
このように、4人世帯なら三カ月の合計で3,988円、一人暮らしなら1,414円程度の値引きが期待できます。
これを十分な支援とみるかどうかは意見が分かれそうです。
一方、家族が多く、電気・ガスの使用量が多い家庭や店舗などにはメリットが高いと言えそうです。

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- さらに詳しく知りたい!この記事で分かること
- 経済産業省の発表による電気・ガス料金支援による料金補助額
- 世帯人数別のシュミレーション - 使用量別計算方法
- 「電気・ガス代の補助金」に関するよくある質問
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⇒ 『【2025年最新】保険相談おすすめ9選ランキング』を読む - その他の固定費(スマホ・光回線代)などを見直す
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電気・ガス料金支援 | 2025年7月~9月使用分の電気・ガス料金補助額はどのくらい?
経済産業省より発表された「電気・都市ガス料金支援」の具体的な補助額は以下の通りです。
使用月 | 電気(低圧) | 都市ガス |
---|---|---|
7月使用分 | -2.0円/kWh | -8.0円/㎥ |
8月使用分 | -2.4円/kWh | -10.0円/㎥ |
9月使用分 | -2.0円/kWh | -8.0円/㎥ |
今利用中の電力会社、都市ガス会社の提供している、それぞれ 1kWhあたりの料金および1㎥から上記の額分値引きが行われることになります。
電気の使用1kWhに対して7月・9月使用分は2円、8月使用分は2.4円の値引きが適用、都市ガスも、同様に従量料金である㎥あたりの料金から値引きとなります。
7月・9月の値引き額は同じ、8月は値引き額が増えます。もっとも気温が高く、冷房の使用が増えると見られる8月の補助額が手厚く設定されていると考えれます。
この電気・ガス料金の支援事業には、今年度予算の予備費から2880億円が充てられることが決定しています。
「電気・ガス料金支援」を正しく理解するためのポイント
- 値引きの対象となるのは、電気と都市ガスです。
- 値引き額は全国一律で上記の通りです。
- 値引きの対象となるのは、「従量料金(電気は1kWhあたりの料金、都市ガス㎥あたりの料金)の部分」のみです。(基本料金等には値引きは行われません。)
- 7月、8月、9月の使用分が対象になります。
「 電気・ガス料金支援」が行われるのはこれが4度目
電気・ガス料金の支援事業が行われるのは今回が4度目となります。過去の支援内容については以下のとおりです。
2023年1月~9月使用分 | 7.00円引き /kWh |
2023年10月~2024年4月使用分 | 3.50円引き /kWh |
2024年5月使用分 | 1.80円引き /kWh |
2024年8~9月使用分 | 4.00円引き /kWh |
2024年10月使用分 | 2.50円引き /kWh |
2025年1~2月使用分 | 2.50円引き /kWh |
2025年3月使用分 | 1.30円引き /kWh |
▶過去の電気・ガス料金支援について見る 閉じる
「電気・ガス料金支援」で実際、電気・ガス代はどのくらい安くなる?
7月の使用分から適用される電気・ガス料金の補助金によって、どのくらい電気料金・都市ガス料金が安くなるのか実際に計算をしてみました。
例えば、平均的な2人暮らしのご家庭における3ヶ月間の値引き額は電気が1,792円、ガスが780円程になると想定されます。
1kWh(キロワットアワー)あたりの値引きが2円といわれてもなかなかピンと来ませんが、実際の使用量に合わせて計算してみるどれくらい具体的に安くなるのか明確になります。
世帯人数 | 電気の値引き額 | ガスの値引き額 |
---|---|---|
一人 | 1,024円 | 390円 |
二人 | 1,792円 | 780円 |
3人 | 2,112円 | 1,040円 |
4人 | 2,688円 | 1,300円 |
値引き額の算出方法
使用量の想定
以下の想定使用量に従って計算をしています。
電気:一人=160kWh、二人=280kWh、3人=330kWh、4人=420kWh
ガス:一人=15㎥、二人=30㎥、3人=40㎥、4人=50㎥
各家庭によって使用量には差異があります。実際の使用量は過去の検針票などをご確認ください。
具体的な計算方法
ここでは、電気のみ、想定される値引き額を計算しています。
また、7月、8月、9月とも同じ使用量だったと仮定して計算しています。
ガス代も使用量(㎥)に割引額をかけることで、同様に想定の値引きを算出することができます。
【一人暮らし】 1カ月に160kWh使用と想定
|
【4人世帯】 1カ月に420kWh使用と想定
|
「電気・ガス代の補助金」に関するよくある質問
質問:大手電力会社ではなく新電力の電気/都市ガスを使っていますが値引きの対象になりますか?
回答:どの電力会社・都市ガス会社を利用していても同様に値引きの対象になります。
質問: 電気・ガス代の補助金を受けるためには手続きが必要?
回答: 電気・ガス料金に対する補助金を受けるために、私たち契約者が行うべきことはありません。私たちが契約している電力会社・ガス会社が補助金の交付申請を行っています。
なお、電気・ガス料金に対する補助金の詳細については資源エネルギー庁が運営するサイト「電気・ガス料金支援」にて確認できるようになっています。
質問: オール電化を使っていますが、値引きの対象になりますか?
値引きの対象になります。
質問: LPガスは「電気・ガス料金支援」になりますか?
LPガスは対象外です。
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電気・ガス代を安くするために私たちができること
過去2年間、今回のような補助金給付が定期的に行われてきましたが、あくまでも一時的な措置であり、いつまでも続くものではありません。
電気・ガスを安く利用したいなら、節電・節ガスも大切ですが、もっとも手軽かつ効果的に節約ができる手段は電力会社・ガス会社の切り替えです。
例えば、関東の3人世帯で、電気・ガスはそれぞれ大手である東京電力・東京ガスと契約している場合、電力会社・ガス会社の切り替えだけで年間約9,000円の節約*が期待できます。
電気:
・比較したのは東京電力「従量電灯B」とオクトパスエナジー「グリーンオクトパス」
・3人世帯の平均的なひと月の電気使用量を330kWh、契約アンペアを40Aと想定。
・電気料金は基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の合計(2025年6月分)。
ガス:
・比較したのは東京ガス「一般料金」とエルピオ都市ガス「スタンダードプラン」
・3人世帯の平均的なひと月のガス使用量を40㎥と想定
・基本料金+従量料金の合計。原料費調整額は含まない
・ただし、東京ガス「一般料金」では原料費調整額に上限があるのに対し、エルピオ都市ガス「スタンダードプラン」では上限がない。仮に燃料価格が著しく高騰した場合、エルピオ都市ガスの原料費調整額が高くなり、上記の料金メリットが出ない可能性あり
*試算条件を見る 閉じる
今年の夏は補助金による値下がりがあるものの、やはり夏は冷房の使用によって使用量が増え、春・秋と比べると光熱費は高くなりがちです。ぜひ、夏に備えて今のうちに電気・ガスの契約プランの見直しをおすすめします。