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トヨタ・ホンダ・マツダの2026年3月期第3四半期決算から読み解く、自動車保険「高騰」の正体

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トヨタ・ホンダ・マツダの2026年3月期第3四半期決算から読み解く、自動車保険「高騰」の正体

2026年3月期第3四半期の決算発表において、トヨタ、ホンダ、マツダの主要三社は、米国による関税政策の影響を色濃く反映した数字を示しました。

この地政学的リスクへの対応と、並行して進む車両のソフトウェア化は、自動車保険市場の構造変化、ひいては家計の固定費増大と密接に連動しています。

主要三社の決算分析:関税影響と戦略の転換

最新の決算数値からは、各社が外部環境の変化に翻弄されつつも、収益構造の組み替えを急いでいる現状が読み取れます。

トヨタ自動車: 
売上収益は38兆876億円と過去最高を記録しましたが、営業利益は3兆1,967億円(前年同期比13.1%減)に留まりました。1.45兆円にのぼる米国関税が利益を押し下げた形ですが、電動車比率46.9%(大半がHEV)という実績は、現実的なマルチパスウェイ戦略が収益の土台となっていることを示しています。

マツダ: 
メキシコ工場からの輸出に対する関税が1,192億円のマイナス要因となり、累計では231億円の営業損失を計上しました。ただし、第3四半期単体では黒字に転換しており、新型「CX-5」の投入と価格改定による収益性の立て直しが進行しています。

本田技研工業:
 二輪事業が営業利益率18.6%という極めて高い収益性を維持する一方、四輪事業はEV関連の一過性費用2,671億円を計上したことで赤字となりました。関税影響(2,898億円)を含め、四輪事業の構造改革が急務となっています。

ここで注目すべきは、各社が「関税コスト」や「開発費」を吸収するために、車両価格の適正化(値上げ)と、付加価値の高い「高度な装備」の搭載を加速させている点です。これが、後述する保険料高騰の原因の一つとなっています。

修理費のインフレと保険料への波及

メーカー各社が収益性を維持するために進めているのが、車両の付加価値向上と「損益分岐台数」の引き下げです。これは、少ない販売台数でも利益を確保できるよう、一台あたりの単価を高める戦略を意味します。しかし、この高度化が保険市場においては「修理コストの構造的インフレ」を招いています。

ADAS(先進運転支援システム)やSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の普及により、車両は精密機器の集合体となりました。かつての単純な板金修理ではなく、センサーの交換やエーミング(校正作業)が必須となった結果、1件あたりの修理費が大幅に上昇しています。

こうした修理単価の上昇に加え、物価高による部品代や人件費の底上げが重なり、損害保険各社の収支を圧迫しています。このコスト増を吸収するため、損保各社は2025年に続き2026年にも保険料の改定を実施しました。

主要損害保険会社による2026年前後の価格改定状況

保険会社名平均値上げ率実施時期備考
東京海上日動約8.5%2025年10月業界に先駆けて大幅引き上げを実施
損害保険ジャパン約7.5%2026年1月過去最大幅の改定、年齢区分も細分化
三井住友海上約7.0%2026年1月修理費高騰および損害率の悪化を反映
あいおいニッセイ同和約6.0%2026年1月災害リスクと部品価格上昇に対応

上表は保険会社によるプレスリリース、メディア向けの記者説明会資料、および損害保険料率算出機構(GIROJ)の公式発表に基づいてセレクトラ・ジャパンが編集。

これらの改定は、単なる一過性の値上げではなく、車両の構造変化に伴う「自動車維持コストの恒常的な上昇」を反映したものと言えます。

消費者が直面する「負担増」と防衛策

家計への影響を分析する際、単なる保険料率のアップだけでなく、「ASV割引(衝突被害軽減ブレーキ割引)」の適用期間も考慮する必要があります。この割引は一般に新車登録から約3年間で終了するため、2023年以前の購入者は、今回の料率改定と割引終了が重なることで、更改時に想定以上の負担増を実感することになります。

また、地方圏など複数台を所有する世帯では、この数パーセントの改定が年間数万円単位の支出増に繋がります。

結論:2026年、自動車保険は「能動的に選ぶ」時代へ

最新決算が示す通り、自動車は高性能化に伴い「維持コストが上昇しやすい」性質を強めています。メーカーが地政学的リスクや開発費と戦いながら生み出した安全装備は、私たちの安全を守る一方で、事故時の修理費や保険料という形で家計に跳ね返ってきます。

このような状況下で、ユーザー側には「保険を能動的に選ぶ」姿勢が求められています。

  • 合理的・低廉なネット損保の活用: 代理店手数料を抑えたダイレクト型保険(ネット損保)は、特にインターネット割引などが充実しており、一律の値上げ局面において有効な選択肢となります。
     
  • 安全運転による還付・割引制度: 急アクセルや急ブレーキをセンサーで判定し、スコアに応じて保険料のキャッシュバックや割引を行う「テレマティクス保険」の普及が進んでいます。

2026年度、私たちは車を「選ぶ」だけでなく、「合理的な保険選びや安全運転の成果を反映させる仕組み」を使いこなし、維持費を自ら最適化していく力が試されていると言えるでしょう。