【実演】ふるさと納税のやり方を初心者向けにわかりやすく解説!仕組みや注意点も

更新日
【実演】ふるさと納税のやり方を初心者向けにわかりやすく解説!仕組みや注意点も

ふるさと納税は、地域を応援しながらお得な返礼品を受け取れる制度です。しかし、はじめての人にとっては仕組みや手続きが少し複雑に感じられるかもしれません。

この記事では、実際に「さとふる」を使いながら、ふるさと納税の流れをわかりやすく実演形式で解説します。これを読めば、誰でもスムーズにふるさと納税をスタートできます。

【実演】ふるさと納税のやり方を初心者向けに解説!

ふるさと納税のやり方を「さとふる」を使って説明します。どのサイトでも基本的な流れは共通なので、他社サイトの利用を検討している方も参考にしてみてください。

  1. 自分の控除上限額を確認する
  2. 返礼品や地域をベースに寄付する自治体を選ぶ
  3. 寄付画面で手続きを進める
  4. 寄付金受領証明書を受け取る
  5. 返礼品を受け取る
  6. 申請手続きをして税金の控除を受ける

 自分の控除上限額を確認する

最初にやるべきことは、控除上限額の確認です。

ふるさと納税には、年収や家族構成に応じた上限額があり、それを超えて寄付しても税金の控除は受けられません

上限額を確認する際は、「さとふる」などのふるさと納税サイトにあるシミュレーション機能で確認できます。今年度の年収と12月31日時点の家族構成を入力するだけで、自分の寄付可能な金額が表示されます。例えば独身で年収400万円なら、39,000円が上限になります。

個人事業主や成果報酬型の給与形態の会社員の方は、今年度の収入を少なめに見積もって確認してみましょう。

収入別の控除上限額シミュレーション

以下は「さとふる」のシミュレーターをもとにした、年収別の控除上限額の目安表です。なお、「共働き」は配偶者に201万円以上の所得がある状態で、「夫婦」はふるさと納税をする方の配偶者に収入がない状態を指します。

年収独身または共働き共働き+子1人
(中学生以下)
夫婦+子1人
(中学生以下)
300万円25,000円25,000円16,000円
400万円30,000円39,000円30,000円
500万円45,000円57,000円45,000円
600万円64,000円74,000円64,000円
700万円81,000円104,000円81,000円
800万円115,000円126,000円115,000円
900万円138,000円149,000円138,000円
1,000万円162,000円173,000円162,000円
1,500万円365,000円365,000円365,000円

また、子どもの年齢によっても控除の目安金額は変わります。ふるさと納税を検討している方は、利用を考えているサイトで自分の家族構成のシミュレーションを実施してみてください。

 返礼品や地域をベースに寄付する自治体を選ぶ

さとふる画面例

次に、どこの自治体に寄付するかを選びます。

寄付をする地域を選ぶ際は、返礼品の魅力やその自治体への想いなど、どのような動機でも構いません

例えば、少し贅沢な食事をしたい方は、高級肉や海鮮を取り扱っている地域を選ぶと良いでしょう。また、今住んでいる地域や地元など、ゆかりのある地域に寄付をするのもひとつの手です。

なお、会社員の方で「ワンストップ特例制度(通常の申請方法よりも楽に寄附金控除が受けられる仕組み)」を利用する場合は、寄付先を5自治体以内に抑える必要があります。制度を活用して控除を受けたい方は、この点に注意して寄付をする地域を選びましょう。

 寄付画面で手続きを進める

寄付する自治体が決まったら、いよいよ寄付の手続きに進みます。主な支払い方法は以下のとおりです。

  • クレジットカード
  • コンビニ決済
  • Pay-easy(ペイジー)
  • Amazon払い
  • PayPayオンライン決済

最もおすすめなのがクレジットカード を使った支払い方法です。 一度カード情報を登録すれば次回以降もスムーズに決済できるため、手間がかかりません。

また、クレジットカードで寄付をすると、 カード会社のポイントも貯まり、お得感があります。 決済方法に悩んだら、クレジットカードを選択してみてください。デビットカードも登録できます。

決済が完了すると、ふるさと納税を利用したプラットフォームから寄付完了のメールが届きます

メールが届いていたら、正しく手続きが行われています。

 寄付金受領証明書を受け取る

寄付が完了してしばらく経つと、自治体から「寄付金受領証明書」が届きます。 返礼品よりも先に届くことが多く、封書やハガキで送られてきます。

寄付金受領証明書とは、寄付が完了していることを証明する書類です。

【寄付金受領証明書のサンプル】

ふるさと納税寄付金受領証明書

寄付金受領証明書は、確定申告をする際に必要となる重要な書類です。ワンストップ特例制度での申告が漏れていたときに必要になるので、必ず保管しておきましょう

寄付金受領証明書は申し込み後、2週間から2ヶ月程度で発送されます。発送の目安は自治体によって異なるので、ふるさと納税を利用したプラットフォームにある「寄付金受領証明書の発送目安」を確認してみてください。

 返礼品を受け取る

自治体からの返礼品は、寄付金受領証明書到着後に配送業者を通じて届きます。

多くの場合、ヤマト運輸や佐川急便などが配送を担当します。

特に食品や大型の日用品を選んだ場合は、配達日時の指定をするとスムーズに受け取れます。 食品や日用品(ペーパー類や洗剤など)を選ぶとかなりのスペースが必要なので、保管場所を事前に確保しておくと安心です。

 申請手続きをして税金の控除を受ける

寄付が完了したら、控除を受けるための申請を行います。

手続きには「ワンストップ特例制度」「確定申告」の2つの方法があります。

【会社員など】ワンストップ特例制度

会社員や年金生活者など、確定申告が不要な人が対象です。最大5自治体までの寄付であれば、ワンストップ特例制度を利用できます。

具体的な利用条件や手続きの概要は、以下を確認してみてください。

対象以下の条件を満たす方
● 給与所得者
● 2箇所以上から給与などの支払いを受けていない
● 給与収入の合計が2,000万円以下
● 給与所得以外の所得がない
● 寄付した団体が5自治体以下
● 確定申告をする予定がない
必要書類1.マイナンバーカードのコピー(表裏)
2.以下の組み合わせ
-マイナンバー通知カードのコピー/住民票の写し
-運転免許証のコピー/パスポートのコピーなど
3.以下の組み合わせ
-マイナンバー通知カードのコピー/住民票の写し(いずれか1点)
-健康保険証のコピー/年金手帳のコピー/自治体が認める公的書類のコピー(いずれか2点)
申請方法各自治体へ申請書と本人確認書類を提出
税金の控除住民税の控除
申告期限寄付をした翌年の1月10日(必着)

参照元:
国税庁| ふるさと納税をされた方へ 
千代田区|千代田区への寄附(返礼品を伴うふるさと納税)のご案内

【個人事業主など】確定申告

個人事業主や副業収入のある方など、確定申告が必要な人は寄付金受領証明書をもとに確定申告を行います。以下の表で条件を確認してみてください。

対象以下の条件を満たす方
● 個人事業主
● 2箇所以上から給与などの支払いを受けている
● 年間の給与収入が2,000万円以上
● 給与収入以外の所得がある
● 寄付した団体が5自治体以上
● 確定申告をする予定がある
必要書類● 寄附金受領証明書などのデータ
● マイナンバーカード
● 所得金額がわかる書類
● 各種控除申請に必要な書類
● 銀行口座がわかるもの
申請方法● e-Tax
● 郵送
税金の控除所得税の還付
住民税の控除
申告期限(2024年度の場合)2025年2月17日(月)から3月17日(月)まで
※年度によって数日変動

参照元:
国税庁| ふるさと納税をされた方へ 
国税庁|〔令和6年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き〕申告書に添付・提示する書類

適切に申告すれば、寄付額のうち自己負担の2,000円を除いた全額が控除対象となります。必要書類は控除を受ける項目によって異なるので、必ず自分が必要な書類を確かめてください。

2025年ふるさとの納税の流れとスケジュール

ここまでの情報を整理して、2025年のふるさと納税の流れとスケジュールを図解しました。

人気の返礼品は在庫に限りがありますので、ふるさと納税を検討している場合は早めの寄附がベストです。

2025年10月1日からこれまでふるさと納税の寄附を通じて付与されていたポイントが廃止になります。 ポイントを貯められるのは2025年9月末までの寄附になるため、9月末にふるさと納税の駆け込みが予想されます。

ふるさと納税のながれ

初心者向けふるさと納税利用時のチェックリスト

ふるさと納税をはじめて利用する人のために、どのサイトでも共通で役立つチェックリストを紹介します。 このチェックリストを押さえておけば、手続きでのミスを避けられます。

ふるさと納税の制度を理解した
控除上限額を確認した
返礼品の配送時期を確認した
自治体を5つ以内に抑えている(ワンストップ特例制度を使う場合)
寄付後のメールや寄付金受領証明書を保管している
返礼品の大きさを確認し、保管スペースを確保している
マイナンバーカードを発行している
寄付金額は控除上限額内に抑えている
控除申請(ワンストップ特例制度or確定申告)を行った

これらのリストにすべてチェックが入れば、ミスなく手続きが完了しています。

ふるさと納税の仕組みを図解でわかりやすく解説

ふるさと納税は、地方自治体に寄付することで、お礼として返礼品がもらえる制度です。

ふるさと納税 しくみ

通常、納税は自分の住んでいる市区町村に行い、特に何ももらえません。しかし、ふるさと納税では寄付という形で他の地域にお金を送ることができ、納めた税金の3割程度の返礼品をもらえます。

さらに寄付額のうち、自己負担2,000円を除いた金額が本年度の所得税の還付(確定申告をしている方のみ)を受けられ、加えて翌年の住民税の税額控除を受けられます。

例えば、年収600万円の人が60,000円寄付をしたとしましょう。この場合、自己負担は2,000円で、残りの58,000円は税金の還付・控除を受けられます。そして、寄付先からは18,000円相当のお肉や魚、果物、雑貨などの返礼品が届きます。

通常の納税では返礼品をもらえることはありません。手続きの手間はありますが、積極的に利用する価値のある制度です。

ふるさと納税で初心者がつまずくポイントと対策

初心者がふるさと納税をはじめるときに陥りがちな失敗と、その対策について紹介します。

💴まとまったお金を用意する必要がある

ふるさと納税で満足度の高い返礼品を受け取るには、数千円から10,000円以上のまとまったお金が必要です。ほとんどのサイトで1,000円から寄付を行っていますが、「返礼品の金額は寄付金の3割」というルールがある以上、納める金額が安いと返礼品の質も下がってしまいます。

各サイトで人気ランキング上位の返礼品を受け取るには、10,000円程度の寄付が必要です。実際にさとふるの返礼品人気ランキングをみると、週間人気ランキングの上位3商品はすべて10,000円以上のものでした。

返礼品金額例

引用:さとふる|【2025年最新】ふるさと納税 人気お礼品おすすめランキング(週間)

また、複数の自治体に寄付をする場合は、総額で50,000円〜100,000円ほどになることもあります。寄付をまとめて行うと家計に負担がかかるため、数ヶ月に分けた計画的な寄付をおすすめします。

🙄税金控除の手続きを忘れてしまう

ふるさと納税初心者がつまずくポイントとして、税金控除の手続き漏れがあります。ふるさと納税をしただけでは税金の控除は受けられません。必要な手続きをしないと、ただ高額なものを買っただけになってしまいます。

ワンストップ特例制度を選んだ場合は、申請書と必要書類を自治体に郵送しなければなりません(オンライン手続きも可能)。確定申告が必要な人は、寄付金受領証明書をもとに期日までに申告する必要があります。それぞれ手続きの期限が異なるので、以下の表を参考にしてください。

ワンストップ
特例制度
翌年の1月10日(必着)までに各自治体に送付
確定申告(2024年度の場合)2025年2月17日(月)から3月17日(月)まで
※年度によって数日変動

特にワンストップ特例制度を利用する予定の方は、1月10日の期限を過ぎるとより手間のかかる確定申告をしなければなりません。カレンダーやリマインダーを設定し、必ず間に合うように申告してください

🚨控除上限額を超えた寄付をしてしまう

ふるさと納税をすることに夢中になってしまい、控除上限額を超えるケースもあります。超過分はただの寄付になり、税金の控除は受けられません。特に個人事業主や成果報酬型で働いている会社員は、年収が不安定なため注意が必要です。

年収が確定する前に寄付する場合は、寄付金額を少なめに見積もるのがおすすめです。上限額ギリギリまで寄付したい場合は、年末に見込み年収がほぼ固まってから寄付するとリスクを抑えられます。

会社員がふるさと納税を利用する場合は、寄付をする前にその年の見込み年収と寄付金の上限額を確認しておきましょう。多くのプラットフォームでは「今いくら寄付したか」が可視化されているので、現時点での寄付金額を都度確認してください。

💥受け取った食品や日用品の保管スペースがない

ふるさと納税初心者によくあるミスは、受け取った返礼品の保管スペースがないことです。特に食品や日用品を受け取るときに多いミスで、食品に関しては保管できずに腐ってしまうことも珍しくありません。

筆者は日用品の多くをふるさと納税でカバーしています。トイレットペーパーやキッチンペーパー、洗剤などは大量に発送されるため、寄付をする前に収納スペースの確認を欠かさずしています。

【ふるさと納税で頼んだトイレットペーパーと洗剤を保管している様子】

ふるさと納税ストック

食品系のふるさと納税をする際は、発送時期と冷蔵庫・冷凍庫の空き容量を確認しなければなりません。「冷凍庫がパンパンのときに冷凍ホタテが1kgも届いてしまった」などの事態を招くと、高価な返礼品が痛む原因となります。

ふるさと納税をする前に、返礼品はいつ届くのか、保管にどのくらいのスペースが必要なのかを確認してみてください。

🙅🏻‍♀️5つ以上の自治体に寄付をするとワンストップ特例制度が使えない

会社員や公務員の方によくあるミスで、ワンストップ特例制度を活用予定にもかかわらず、5つ以上の自治体に寄付をすることがあります。

ワンストップ特例制度は、最大5自治体までの寄付にしか適用できません。6自治体以上に寄付してしまうと、確定申告が必要になります。

ワンストップ特例制度を使って手軽に控除を受けたい場合は、必ず寄付先の数を5つ以内に抑えましょう。サイトで寄付履歴が確認できるので、うっかりオーバーしないよう定期的にチェックしておくと安心です。

🗓️マイナンバーカードがなくてワンストップ特例制度の対応が遅れる

ワンストップ特例制度を使うには、本人確認書類としてマイナンバーカードまたはマイナンバー通知書と身分証明書のコピーが必要です。マイナンバーカードを持っていないと申請が遅れてしまい、確定申告で寄付金控除を受ける必要が出てきます

ワンストップ特例制度の申告期限が迫っている年末にマイナンバーカードの発行を申請して、手元に届かずに申請できないこともよくあるミスです。

トラブルなくふるさと納税を活用するためにも、寄付をすると同時にマイナンバーカードを取得しておきましょう。申請から受け取りまでには1ヶ月程度かかるため、遅くても11月末から12月の初旬には発行の申請をするのがおすすめです。

ふるさと納税でよくある質問

初心者がふるさと納税に関してよく抱く疑問について回答します。

Q.ふるさと納税をすると住民税が安くなる(節税効果がある)?

A. ふるさと納税をしても、住民税が安くなることはありません。寄付をすると、所得税と住民税から一定額が控除されますが、あくまで本来納める税金の一部を別の自治体に回しているだけだと理解しておきましょう。

しかし、ふるさと納税を活用すると、2,000円の自己負担で寄付金額の3割に相当する返礼品が受け取れます。従来のように居住先の自治体に納めるよりも、実質的にお得な制度です。

Q.ふるさと納税はしないほうがいい?

A. ふるさと納税は積極的に活用したほうがお得です。同じ税金を納めるにしても、返礼品という形で恩恵を受けられるからです。

例えば、60,000円を寄付して2,000円を自己負担した場合でも、58,000円は税金から控除されます。それだけでなく納めた税金の3割に相当するお肉や海産物、日用品などが受け取れるため、通常通り居住地の自治体に納めるよりもお得だとわかるでしょう。

Q.ふるさと納税によって損する年収はある?

A. 年収が155万円以下の人は、ふるさと納税の恩恵を受けにくい可能性があります。この年収層は控除の限度額が7,000円未満に設定されるため、自己負担の2,000円を差し引いた返礼品の価値が下回る可能性があるからです。

例えば6,000円の寄付で1,800円相当の返礼品しか受け取れない場合、自己負担の2,000円を引くと200円損をしてしまいます。

なお、配偶者の有無によって控除限度額が異なります。ふるさと納税のサイトにあるシミュレーション機能を活用し、自分の年収や家族の状況で利用するメリットがあるのか確かめてみてください。

Q.外国人もふるさと納税できる?

A. 外国籍の方も日本に住民票があり、所得税や住民税を支払っていれば、ふるさと納税を利用できます。ふるさと納税に国籍の制限は一切ありません。日本での納税義務がある人であれば誰でも制度の対象になります。

今からでも間に合う!ふるさと納税をはじめてみよう

ふるさと納税は、制度を理解すれば誰でも簡単に利用できます。実際に体験してみることで、手続きの流れやメリットがよくわかります。この記事を参考にしながら、まずは控除上限額を調べ、応援したい地域や欲しい返礼品を探してみましょう。

年末までに申請を済ませれば、翌年の税金からきちんと控除が受けられます。今からでもまったく遅くありません。記事内で紹介している手順をもとに、ふるさと納税デビューしてみましょう。