【貯蓄型保険ランキング】100名独自調査-加入している保険と保険会社

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【貯蓄型保険ランキング】100名独自調査-加入している保険と保険会社

「貯蓄型=終身保険」と思っていませんか?この記事では貯蓄型の保険を一気に紹介。

「貯蓄型保険ランキング」で人気の高いのは、終身保険と個人年金保険です。どちらも“貯めながら備える”ことができる代表的な貯蓄型商品ですが、実は特徴やリターンの仕組みが大きく異なります。

また、貯蓄性の保険を考えるときにこれだけは外せない知識「予定利率」についてもくわしく解説します。

貯蓄型保険とは?基本をわかりやすく解説

貯蓄型保険とは、シンプルに説明すると、 支払った保険料が返ってくる仕組みの保険 です。「貯蓄性のある保険商品」と言い換えられます。

貯蓄型保険の定義と代表的な種類

支払った保険料の一部が将来の保険金や解約返戻金に充てるための積立金として保険会社に運用されます。

この積立金というポイントが貯蓄型保険では重要なポイントで、「掛け捨て型保険(定期保険)」と明確に区別できます。具体的には主に下記のような保険商品を指します。

貯蓄型保険の仕組み

解約返戻金がもらえる
終身保険のように、契約を途中で解約した場合、それまでの積立金の一部が「解約返戻金」として契約者に戻ります。※解約時期によっては元本割れのリスクがあります。

満期金や年金がもらえる
養老保険個人年金保険のように満期時や年金開始時に積立金が「満期保険金」や「私的年金」として支払われます。

実際に、貯蓄型保険といってもどのような保険種類への加入が多いのでしょうか?スマートマネーライフでは貯蓄型保険に加入している100名にその保険種類についてアンケートを実施しました。

貯蓄型保険のより詳しい仕組みへ👇

【2025年版】貯蓄型保険ランキング

アンケートの結果、終身保険と個人年金保険へ票が集まりました。保障がありつつも運用を重視する外貨建て保険や変額保険と組み合わせている方も目立ちました

貯蓄型生命保険ランキング
アンケート概要
対象相続税対策で生命保険に加入している男女19名
期間2025年10月22日~29日
方法インターネット
機関株式会社マクロミル
質問内容【貯蓄型の生命保険*に加入している方】にお伺いします。 *保険料が掛け捨てではない保険
1.加入している生命保険の種類を選択ください(複数回答可) (選択肢)終身保険/②低解約返戻金型終身保険/養老保険/個人年金保険/変額保険/変額年金保険/外貨建保険/学資保険
2.保険会社を教えてください。(自由回答)
3.なぜその保険商品を選択しましたか。
(選択肢)保険会社の営業/ほけんの窓口やFP相談などですすめられた/知人や家族が関係者でお付き合い/その他(具体的に)
回答者数100名

ランキングに上がった保険の種類について簡単に解説します。

🥇終身保険―一生涯の保障と返戻金のバランスが魅力

終身保険は、保険会社が保険商品の予定利率に基づき、受取れる解約返戻金や保険金の額があらかじめ決められています。

加入中の保障は一生涯続き、死亡時に保険金が支払われます。 満期がないため、任意に解約することができます。

一般的に保険料の支払い期間が終了した(保険料払込満了)頃に解約した場合、お金が返ってきます(解約返戻金)。返ってくる金額は支払った保険料とおおよそ同じ水準になります。ただし保障はなくなります。

保険料払込満了の前に解約すると、返ってくるお金が支払った保険料の総額よりも少なくなります。 さらに、低解約返戻金型終身保険の場合は、保険料の払い込み満了前の解約返戻金がより少なくなります。その分一般的な終身保険より安い保険料で加入できます。

終身保険に加入する場合は、「解約返戻金がいくらもらえるか。」「払い込んだ保険料よりいくら多くもらえるか」といった確認、つまり予定利率のチェックが重要です。

運用成績や経済状況に左右されることなく、保険契約時に受け取れる保険金額が確定しているため、将来の資金計画が立てやすくなることが特徴です。

メリットデメリット
 保障機能がありながら貯蓄性もある
 途中解約したら元本割れの可能性
 一生涯の保障
 掛け捨ての生命保険に比べて保険料が割高

🥈個人年金保険―老後の安心を積み立てるならこれ

個人年金保険は、民間の保険として受け取る年金保険です。公的年金に加えて、私的年金(企業DC、iDeCo、民間保険)の枠組みになります。

加入の方法は、例えば60歳など現役中に保険料を払います。その後、70歳などの契約した際に決めた年齢から、一定期間もしくは生涯年金が支払われます。

年金の受け取り前に亡くなった場合は、支払った保険料の金額相当の死亡保険金が保険金の受取り人に支払われます

一次的に保険金を受け取るのではなく、毎月の保険金が支払われます。そのため公的年金では生活費が足りないかもしれない。という不安に備える保険です。

さらに個人年金保険は、給付前に亡くなっても、払い込んだ保険料以上の保険金は支払われません。そのため、保険加入にあたって告知事項が少ない。もしくは告知が不要なので健康に不安のある方でも備えることができます。

参照:明治安田生命│個人年金保険のメリット・デメリットを紹介!

メリットデメリット
  老後の生活費を計画的に用意できる
 インフレ(物価高)のリスクがある
 健康不安があっても加入しやすい
 途中で解約したら元本割れの可能性

🥉養老保険―満期設定で確実なリターン

養老保険は保険期間中の死亡保障と貯蓄を兼ね備えた保険です。

保険加入の際に満期時期を設定し。満期まで生存していた場合は満期保険金を受け取ることができます。保障の機能を持ちながら、終身保険よりも計画的な資産形成ができることが特徴です。

同じく貯蓄性のある終身保険と比較すると、終身保険は満期がありません。保障が不要になった場合は、ご自身のタイミングで契約を解約して解約返戻金を受け取る点に違いがあります。

メリットデメリット
 死亡保障がありながら貯蓄できる
 貯蓄型保険の中で保険料が一番割高
 満期があるので資金計画が立てやすい
 短期で資金が必要な場合は対応できない

4位 外貨建て保険―金利差メリットと為替リスクの両立

ここでは外貨建て保険で一般的なドル建て保険について説明します。 ドル建て保険とは「保険料の支払い」「運用」「保険金や解約返戻金の受け取り」を、米ドルで行う保険のことです。

保険会社は、預かった保険料を米ドル建てのさまざまな資産で運用します。ドル建て資産の運用なので、米国の金利やドルの動きが保険のパフォーマンスに影響します。 契約者が死亡した場合や解約する際に、保険金や解約返戻金は米ドルで計算されます。

外貨ベースでの運用リスクは保険会社が負い、外貨ベースの予定利率は保証されます。しかし、契約者が円で保険料を払い、円で受け取る場合、最もインパクトの大きい為替リスクは契約者が負います。

具体的に、保険契約者が、「保険料の支払い」「保険金の受け取り」で円建てを選択した場合、為替コストは契約者が持つことになります。たとえば、契約時の為替レートに応じて支払う円の金額が変わりますし、受け取る場合の保険料もその時の為替レートに影響します。

メリットデメリット
 高い利回りが期待できる
 為替変動によって元本割れするリスクがある。
 通貨を変えることでリスクを分散できる
 商品の仕組みが複雑

ドル建て保険早めたほうがいい?

ドル建て保険は、やめたほうがいい?
商品の特徴からみるメリット・デメリット解説

5位 変額保険―運用リスクを理解して資産成長を狙う人に

変額保険とは運用実績によって受け取れる保険金が変動する保険です。

運用実績が受け取れる保険金に影響します。払込保険料より多くの保険金を受け取れる可能性がありますし、その逆もあります。

変額保険を知るには終身保険との比較がわかりやすいので、終身保険との比較で解説します。

終身保険は運用リスクを保険会社が負っています。具体的には終身保険には「予定利率」が設定されています。保険会社はこの予定利率分のリスクを契約者に対して保証する義務を負います

一方で変額保険は「市場変動」による資産変動リスクを契約者が負います。変額保険は、投資対象のパフォーマンスが保険金や解約返戻金に直接影響を与えるますので、契約者が元本割れするのリスクを含めて運用成果を享受(または負担)します。

運用方法は保険会社から提供される範囲で契約者が選べます。

メリットデメリット
 インフレに負けない資産運用が期待できる
  元本割れするリスクがある。
 運用先を選択できる
 保障コストに加えて運用コストもかかる

貯蓄型保険で人気の保険会社ランキング(100名アンケート結果)

100名アンケートでは、どの保険会社の貯蓄型保険に加入しているかについても確認しました。回答が集まった保険会社を紹介します。

日本生命・かんぽ生命が上位に

回答が集まった保険会社を確認すると、日本生命・かんぽ生命となりました。生命保険会社全体の売上でみても、上位の保険会社は契約保有数が多いので、納得の結果です。

FP型営業のソニー生命も高評価

また、意外なところでは保険会社の契約保有数では8位のソニー生命がランクインしていました。 ソニー生命はライフプランナーが顧客の全体資産をアドバイスしながら提案する営業スタイルの保険会社です。ライフプランナーに資産運用を考えた保険の相談ができます。

関連記事:最新:生命保険会社ランキングへ

貯蓄性のある保険商品のより詳しい仕組みを解説

ここまで貯蓄性のある保険商品についてそれぞれの説明をしましたが、加入を検討するならぜひ知っておきたい「貯蓄性のある保険商品」の仕組みをより深く解説します。

貯蓄型の保険料はどうやって決まる?三つの予定率(予定死亡率・予定事業費率・予定利率)

生命保険の保険料は、保険数理に基づいて、将来の支払い義務を適切に果たすために必要となる積立額を算出する過程で、以下の「三つの予定率」によって計算されます

1.予定死亡率
過去の統計をもとに男女別・年齢別の死亡者数を予測。将来の保険金の支払いに充てるために、必要な保険料を算定

2.予定事業費率
保険会社の人件費や販売コストなど保険会社が運営上必要とする経費をあらかじめ見込んで保険料に組み込んでいます。

3.予定利率
集めた保険料の資産運用によって一定の運用収益を見込み、その分の保険料を割り引きます。

参照:一般社団法人生命保険協会│保険料と配当金の仕組み

この三つの予定利率を項目ごとにまとめました。

予定率何に使う?変動リスクリスクを負うのは
予定死亡率保障原価
(保険金原資)
統計的死亡率の変化
公衆衛生・医療の変化
保険会社
予定事業費率保険会社の運営経費経営効率
人件費・販売費など
保険会社
予定利率保険料積立金の運用収益見込み市場金利の変化
運用結果
保険会社
(利回り保証リスク)*

*変額保険の場合は【契約者】

返ってくるお金を左右するのは「予定利率」(よていりりつ)

三つの予定率のうち、「予定利率」は貯蓄型保険において重要なのでより詳しく解説します。

保険料計算において、将来の支払義務を現在価値に割り引く「割引率」として機能します。

終身保険などの貯蓄性のある生命保険は、契約者が支払う保険料の一部が保険会社によって長期的に運用されますので予定利率の影響が非常に大きくなります 。

この予定利率は、生命保険の契約者に約束する利回りです。予定利率は保険会社の商品パンフレットやホームページに記載されています。

もう少しざっくり説明すると 保険会社は、お客さん(契約者)から集めた保険料をそのまま保管しておくのではなく、国債や株式などで運用して増やしています

このとき、将来の支払い(たとえば満期保険金や死亡保険金)に必要なお金の一部は、運用によって増えることを見込んで、あらかじめ保険料を少し安くしているのです。

予定利率が高いとどうおトクになる?具体例で説明

たとえば、 「将来100万円支払う必要があるけれど、運用で2%増えると見込めるなら、今集めるのは100万円まるごとではなく、約90万円くらいで足りるだろう」という考え方です。

この「将来の運用でどれくらい増えるか」という見込みの利率を、何度も出てきていますが「予定利率」と呼びます。

予定利率が高いということは、「保険会社が運用でたくさん増やせる」と見込んでいる、ということになります。

そのため、 次のようなメリットがあります。

  • 同じ保障内容でも「支払う保険料が安くなる」
  • または「満期や解約時に戻ってくるお金(返戻率)」が高くなる

つまり、貯蓄性の保険(終身保険・養老保険・学資保険など)では予定利率が高いほどおトクになりやすいのです。

貯蓄型保険はこんな人におすすめ

貯蓄型保険は、「保障を持ちながらお金を貯めたい人」や「銀行預金よりも計画的に積み立てたい人」に向いています。それぞれの保険には目的やリスクの取り方に違いがあるため、自分のライフプランに合ったタイプを選ぶことが大切です。

終身保険・養老保険・個人年金保険

これらの保険は最も一般的な貯蓄型保険で、保険会社が設定する「予定利率」に基づいて資産を安定的に積み立てていく仕組みです。
いずれも運用リスクを保険会社が負うため、契約時点で将来の受取金額が確定している点が特徴です。

終身保険・養老保険・個人年金保険

将来の物価高(インフレ)による資金価値の目減りするというデメリットを加味しても、「元本割れしたくない」「確実に貯めたい」「投資は苦手」という人へおすすめです。

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学資保険

学資保険は、子どもの教育資金を目的とした貯蓄型保険です。 中学・高校・大学の入学時期に合わせて「祝い金」や「満期金」を受け取れるよう設計されており、教育費のピークに合わせて計画的に資金を準備できます。

契約者に万一のことがあっても、保険料払込免除で保障が継続される安心設計になっており、教育目的の資金管理に向いています。

学資保険

こちらも、インフレリスクと比較しても、「子どもの教育費を計画的に積み立てたい」「貯金が苦手で自動的に貯めたい」方におすすめです。

外貨建て終身保険・変額終身保険

これらは、貯蓄型保険の中でも“運用型”に位置する商品です。 外貨建て終身保険は、為替レートや海外金利を活用してリターンを狙うタイプ。一方の変額終身保険は、株式や債券などの運用実績に応じて資産が変動するタイプです。

外貨建て終身保険・変額終身保険

今までとは逆でこれらの保険は元本割れするリスクがありますが 、「保障機能はもちつつ、金利差や運用のメリットを生かして資産を増やしたい」「預金だけでは物足りない」という人に向いています。

貯蓄型保険の比較表

ここまで説明してきた貯蓄型保険の重要な仕組みの違いを項目別に比較評価しました。 おなじ貯蓄型といっても終身保険・養老保険・個人年金保険は安全性が高い一方で将来の物価高による価値の目減りというリスクがあります。

一方で、外貨建て保険・変額保険は成長性は期待できますが、元本割れする可能性のある商品です。

商品運用リスクの所在利率保証収益性の上限安全性の
相対評価
成長機会の
相対評価
終身保険
 (定額型)
保険会社
(金利・運用)
あり
(予定利率)
あり
(予定利率)
高い低い
養老保険保険会社
(金利・運用)
あり
(予定利率)
あり
(予定利率)
高い低い
個人年金保険 (定額型)保険会社
(金利・運用)
あり
(予定利率)
あり
(予定利率)
高い低い
外貨建て保険契約者
(為替リスク)
保険会社
(外貨金利)
あり
(外貨ベース)
外貨金利水準中程度中程度
変額保険契約者
(投資リスク)
なし
(最低保証を除く)
なし
(市場連動)
低い
〜中程度
高い

まとめ|貯蓄型保険ランキングで見えてきた選び方のポイント

貯蓄性保険は、単にお金を積み立てる手段ではなく、将来の不確実性に備えるためのツールでもあります。

どの程度の安全・確実性を求めるのか、どのくらいの変動リスクなら成長性を選ぶのか。このバランスの取り方が、貯蓄性保険選びで重要なポイントになります。

たとえば、終身保険は「長期の安心」を重視する人に、変額保険は「成長機会」を重視する人に適しています。 外貨建て保険は、為替リスクを取りつつも通貨分散によるメリットを狙う選択肢として注目されています。

市場の変化が大きい今だからこそ、自分の価値観とライフプランに合ったリスク・リターン設計を意識してみましょう。