【貯蓄型生命保険ランキング】100名独自調査-専門家解説!加入している保険と保険会社
「貯蓄型=終身保険」と思っていませんか?この記事では貯蓄型の保険について専門家の解説も交えながら一気に紹介。
「貯蓄型生命保険ランキング」で人気の高いのは、終身保険と個人年金保険です。どちらも“貯めながら備える”ことができる代表的な貯蓄型商品ですが、実は特徴やリターンの仕組みが大きく異なります。
また、貯蓄性の保険を考えるときにこれだけは外せない知識「予定利率」についてもくわしく解説します。
目次
![]() | この記事の監修者:西海 重尚 【保有資格】CFP🄬認定者 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 公的保険アドバイザー 終活アドバイザー 慶應義塾大学 経済学部卒30年超のサラリーマン生活で、損害保険会社、生命保険会社、日本FP協会認定教育機関に勤務。この経験を生かし、保険を中心としたお金に関するコンテンツ制作を得意とする独立系ファイナンシャル・プランナーとして活動中。 西海FP事務所代表。 |
貯蓄型生命保険とは?基本をわかりやすく解説
貯蓄型生命保険とは、シンプルに説明すると、 支払った保険料が返ってくる仕組みの保険 です。「貯蓄性のある保険商品」と言い換えられます。
貯蓄型生命保険の定義と代表的な種類
支払った保険料の一部が将来の保険金や解約返戻金に充てるための積立金として保険会社に運用されます。
この積立金が貯蓄型保険では重要なポイントで、「掛け捨て型保険」と明確に区別できます。具体的には主に下記のような保険商品を指します。
貯蓄型の生命保険(例)
- 終身保険
- 養老保険
- 個人年金保険
- 学資保険
- 外貨建て保険
- 変額保険
貯蓄型生命保険の仕組み
解約返戻金がもらえる:
終身保険のように、契約を途中で解約した場合、それまでの積立金の一部が「解約返戻金」として契約者に戻ります。※解約時期によっては元本割れのリスクがあります。
満期金や年金がもらえる:
養老保険や個人年金保険のように満期時や年金開始時に積立金が「満期保険金」や「年金」として支払われます。
実際に、貯蓄型生命保険といってもどのような保険種類への加入が多いのでしょうか?スマートマネーライフでは貯蓄型生命保険に加入している100名にその保険種類についてアンケートを実施しました。
貯蓄型生命保険のより詳しい仕組みへ👇
【2025年版】貯蓄型生命保険ランキング
アンケートの結果、終身保険と個人年金保険へ票が集まりました。保障がありつつも運用を重視する外貨建て保険や変額保険と組み合わせている方も目立ちました。

| アンケート概要 | |
|---|---|
| 対象 | 相続税対策で生命保険に加入している男女19名 |
| 期間 | 2025年10月22日~29日 |
| 方法 | インターネット |
| 機関 | 株式会社マクロミル |
| 質問内容 | 【貯蓄型の生命保険*に加入している方】にお伺いします。 *保険料が掛け捨てではない保険 1.加入している生命保険の種類を選択ください(複数回答可) (選択肢)終身保険/②低解約返戻金型終身保険/養老保険/個人年金保険/変額保険/変額年金保険/外貨建保険/学資保険 2.保険会社を教えてください。(自由回答) 3.なぜその保険商品を選択しましたか。 (選択肢)保険会社の営業/ほけんの窓口やFP相談などですすめられた/知人や家族が関係者でお付き合い/その他(具体的に) |
| 回答者数 | 100名 |
監修者の西海さんに聞いた🤔貯蓄型生命保険のランキング結果、どう分析しますか?
貯蓄型生命保険は、保障性と貯蓄性を兼ね備えた生命保険であり、もしものときの備えと資産形成を同時に行える優れた金融商品のひとつです。
保障は保障、貯蓄は貯蓄と分けて準備するという考え方もあります。とはいえ、保有する資金は保障や貯蓄の準備以外にも消費され、実際にうまく使い分けて運用していくのはなかなか難しいものです。
株式会社マクロミルが行った貯蓄型生命保険に関するアンケート結果では、最も選ばれているのが終身保険、次が個人年金保険、以下、養老保険、外貨建て保険、変額保険という結果でした。この結果から次のようなことが推測されます。
貯蓄型生命保険といえば、何といっても代表的なものは🥇終身保険です。一生涯の保障と期間の経過とともに増加していく解約返戻金を確保することができ、商品内容もわかりやすいため人気商品です。
🥈個人年金保険は、公的年金の不足分を補完するために、老後資金の準備としての王道といえます。
🥉養老保険は保険期間が一定で、保険期間満了時には満期保険金を受け取ることができ、計画的な資金積立をしながら、もしものときの保障にも備えられるというところに魅力があります。
そのほか、最近の金利の上昇や運用環境の好転などを受け、外貨で運用する外貨建て保険や、運用方法を選択できる変額保険にも注目が集まっています。
🤔2種類以上の貯蓄型生命保険に加入している回答者もいました
アンケートの結果によれば、終身保険と個人年金保険、終身保険と外貨建て保険など、2商品以上の貯蓄型生命保険を組み合わせている方が全体の2割ほどいらっしゃいました。
貯蓄型生命保険は種類によってそれぞれに特徴があります。組み合わせて加入している方は、ご自身のニーズと各商品の特徴をマッチングさせて、最適なプランを設計しているものと考えられます。
🥇終身保険―一生涯の保障と返戻金のバランスが魅力
終身保険は、保険会社が保険商品の予定利率に基づき、受取れる解約返戻金や保険金の額があらかじめ決められています。
加入中の保障は一生涯続き、死亡時に保険金が支払われます。 満期がないため、任意に解約することができます。
一般的に 保険契約を解約した場合、お金が返ってきます(解約返戻金)。 保険料の支払い期間が終了した(保険料払込満了)頃に解約した場合に戻ってくるお金は、支払った保険料とおおよそ同じ水準になります。ただし保障はなくなります。
保険料払込満了の前に解約すると、返ってくるお金が支払った保険料の総額よりも少なくなります。 さらに、低解約返戻金型終身保険の場合は、保険料の払い込み満了前の解約返戻金がより少なくなります。その分一般的な終身保険より安い保険料で加入できます。
運用成績や経済状況に左右されることなく、保険契約時に受け取れる保険金額が確定しているため、将来の資金計画が立てやすくなることが特徴です。
終身保険に加入する場合は 「解約返戻金がいくらもらえるか。」「払い込んだ保険料よりいくら多くもらえるか」といった確認をすることが重要です。
| メリット | デメリット |
保障機能がありながら貯蓄性もある | 途中解約したら元本割れの可能性 |
一生涯の保障 | 掛け捨ての生命保険に比べて保険料が割高 |
監修者の専門解説🖊️終身保険
終身保険は、保障性と貯蓄性を兼ね備えた貯蓄型生命保険の代表的な商品です。一生涯の保障と期間の経過とともに増加していく解約返戻金を同時に確保することができ、なおかつ商品内容がわかりやすいという大きな魅力があります。
特に一時払型の終身保険は、健康状態についての告知がない商品が多く、相続対策によく活用されています。契約時に将来受け取る死亡保険金や解約返戻金の金額が確定しており、経済情勢や保険会社の運用状況に左右されないので安心です。
終身保険の中には、保険料払込満了前の解約返戻金額を一般的な終身保険よりも少なくして、その分保険料を安くしている低解約返戻金型終身保険という商品があります。終身保険の保険料は、保障性と貯蓄性を兼ね備えているため、解約返戻金のない掛け捨て型の生命保険に比べて保険料は割高です。加入にあたり、少しでも保険料の負担を抑えたいのであれば、低解約返戻金型終身保険の加入を検討するとよいでしょう。
解約返戻金は期間の経過とともに増加していき、払込保険料を上回ります。ただし、解約の時期によっては解約返戻金額が払込保険料総額を下回り、元本割れすることがあります。特に短期間で解約する場合には注意が必要です。加入時には、解約返戻金について「いつ解約するとどのくらいもらえるのか」「払込保険料よりもどのくらい多くもらえるのか」などを確認することが大切です。
🥈個人年金保険―老後の安心を積み立てるならこれ
個人年金保険は、民間の保険として受け取る年金保険で、公的年金とは別の“私的年金”に分類されます。
私的年金には、企業型DC(企業型確定拠出年金)、iDeCo(個人型確定拠出年金)、そして今回のテーマである民間の個人年金保険があります。
加入の方法は、例えば60歳などの定年退職時までに保険料の払い込みを完了します。その後、70歳などの契約した際に決めた年齢から、一定期間もしくは生涯年金が支払われます。
年金の受取開始前に亡くなった場合は、支払った保険料の金額相当の死亡保険金が支払われます。
年金は一時に受け取るのではなく、毎月支払われます。そのため公的年金では生活費が足りないかもしれない。という不安に備える保険です。
さらに個人年金保険は、給付前に亡くなっても、払い込んだ保険料以上の保険金は支払われません。そのため、保険加入にあたって告知事項が少ない、もしくは告知や医師の診査が不要なケースが多く、健康に不安のある方でも備えることができます。
参照:明治安田生命│個人年金保険のメリット・デメリットを紹介!
| メリット | デメリット |
老後の生活費を計画的に用意できる | インフレ(物価高)のリスクがある |
健康不安があっても加入しやすい | 途中で解約したら元本割れの可能性 |
監修者の専門解説🖊️個人年金保険
老後の生活資金の中心となる公的年金に期待できないことから、公的年金を補完する手段として人気があるのが個人年金保険です。契約時に、定年退職となる60歳など保険料をいつまで払い込むかを決めて、保険料払込満了後または一定期間据え置いてから、一定期間または終身にわたって積み立てた金額を年金として受け取っていくという商品です。将来受け取る年金額は契約時に確定しています。
年金受取開始前に亡くなった場合には、それまでに払い込んだ保険料相当額を死亡給付金として受け取ることができます。死亡給付金は払い込んだ保険料相当額以上にはならないため、申込み時に健康状態に関する告知や医師の診査が不要となる商品が多く、加入しやすいと考えられます。
また、払い込んだ保険料は、所定の要件を満たせば個人年金保険料控除の対象となり、所得控除により、所得税・住民税の負担を軽減することができます。なお、保険料払込期間中に解約すると、基本的には解約返戻金が払込保険料総額を下回り、元本割れを起こすので注意が必要です。
個人年金保険は、老後の生活資金を計画的に準備できる商品です。健康状態に関する告知や医師の診査が不要となる商品が多く、加入しやすいといえます。一方で解約による元本割れやインフレにより資産が目減りするリスクがあります。加入にあたってはメリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。
🥉養老保険―満期設定で確実なリターン
養老保険は保険期間中の死亡保障と貯蓄を兼ね備えた保険です。
保険加入の際に満期時期を設定し。満期まで生存していた場合は満期保険金を受け取ることができます。保障の機能を持ちながら、終身保険よりも計画的な資産形成ができることが特徴です。
同じく貯蓄性のある終身保険と比較すると、終身保険は満期がありません。保障が不要になった場合は、ご自身のタイミングで契約を解約して解約返戻金を受け取る点に違いがあります。
| メリット | デメリット |
死亡保障がありながら貯蓄できる | 貯蓄型生命保険の中で保険料が一番割高 |
満期があるので資金計画が立てやすい | 短期で資金が必要な場合は対応できない |
監修者の専門解説🖊️養老保険
養老保険は保険期間が一定で、その期間の保障を確保しながら、保険期間満了時には満期保険金が受け取れる保険です。保険期間の途中で解約すれば解約返戻金を受け取ることもできます。保険期間が一定ということから、終身保険よりも計画的に資産形成を行うことができます。
終身保険には満期がありませんので、資金が必要になったときに解約し、解約返戻金を受け取ります。ただし、解約してしまうとその時点で保障はなくなります。養老保険では、保険期間の満期時期を設定することができるので、資金が必要となる時期を満期とすれば、その間の保障を確保しながら、満期保険金を受け取ることができます。
保障を確保しながら計画的な資産形成ができますが、保険料は終身保険よりも割高です。なお養老保険は、会社が契約者となり、従業員を被保険者として、従業員の福利厚生を目的に活用されることも多い商品です。保険期間中に、従業員にもしものことがあった場合の死亡保障が確保できることに加え、満期保険金を従業員の退職金として準備することができます。
貯蓄型生命保険の中では保険料が最も割高ですが、満期保険金があるので、保障を確保しながら資金計画を達成できる商品です。
4位 外貨建て保険―金利差メリットと為替リスクの両立
ここでは外貨建て保険で一般的なドル建て保険について説明します。 ドル建て保険とは「保険料の支払い」「運用」「保険金や解約返戻金の受け取り」を、米ドルで行う保険のことです。
保険会社は、預かった保険料を米ドル建てのさまざまな資産で運用します。ドル建て資産の運用なので、米国の金利やドルの動きが保険のパフォーマンスに影響します。 契約者が死亡した場合や解約する際に、保険金や解約返戻金は米ドルで計算されます。
外貨ベースでの運用リスクは保険会社が負い、外貨ベースの予定利率は保証されます。しかし、契約者が円で保険料を払い、保険金や解約返戻金を円で受け取る場合、為替リスクは契約者が負います。
具体的に、保険契約者が、「保険料の支払い」「保険金の受け取り」で円建てを選択した場合、為替コストは契約者が持つことになります。たとえば、契約時の為替レートに応じて支払う保険料が変わりますし、受け取る場合の保険金もその時の為替レートに影響します。
| メリット | デメリット |
高い利回りが期待できる | 為替変動によって元本割れするリスクがある。 |
通貨を変えることでリスクを分散できる | 商品の仕組みが複雑 |
監修者の専門解説🖊️外貨建て保険
外貨建て保険とは、保険料をアメリカドル、オーストラリアドル、ユーロなどの外貨で支払い、将来受け取る保険金や年金、解約返戻金を外貨で受け取る保険です。日本よりも金利が高い国の通貨で契約すると、利回りが高くなり、日本で同じ保険に加入するよりも、保険料が安くなることがあります。そのため同じ保険料であれば、利回りが高い分、日本で同じ保険に加入するよりも、より大きな保障が得られる可能性があります。
円建ての生命保険よりも予定利率が高く設定されることが多いのが魅力です。さらに為替相場の変動により為替差益を期待することもできます。一方で、円建ての生命保険とは異なり、金利変動リスクや為替リスクに注意する必要があります。
保険料を支払うために円を外貨に替える時、また外貨で受け取った保険金や年金を円に替える時には、為替手数料を負担しなければならないことに注意が必要です。外貨建て保険にはこのような特徴がありますので、為替について一定の知識があり、高い利回りを期待しながら、通貨を変えてリスクを分散し、運用リスクを一定の範囲で許容できる人には向いていると考えられます。
一方で、為替変動リスクや元本割れリスクを避けたい人には向いていないと考えられます。また、外貨建て保険は商品の内容が複雑なので、加入にあたっては仕組みをしっかりと理解することが大切です。
5位 変額保険―運用リスクを理解して資産成長を狙う人に
変額保険とは運用実績によって受け取れる保険金が変動する保険です。
運用実績が受け取れる保険金に影響します。払込保険料より多くの保険金を受け取れる可能性がありますし、その逆もあります。
変額保険を知るには終身保険との比較がわかりやすいので、終身保険との比較で解説します。
終身保険は運用リスクを保険会社が負っています。具体的には終身保険には「予定利率」が設定されています。保険会社はこの予定利率によるリスクを契約者に対して保証する義務を負います。
一方で変額保険は「市場変動」による資産変動リスクを契約者が負います。変額保険は、投資対象のパフォーマンスが保険金や解約返戻金に直接影響を与えるますので、契約者が元本割れするのリスクを含めて運用成果を享受(または負担)します。
運用方法は保険会社から提供される範囲で契約者が選べます。
| メリット | デメリット |
インフレに負けない資産運用が期待できる | 元本割れするリスクがある。 |
運用先を選択できる | 保障コストに加えて運用コストもかかる |
監修者の専門解説🖊️変額保険
変額保険は、保険料を価格変動が大きい金融商品で運用する投資型の保険です。運用先は、保険会社が指定する範囲の中から選択することができます。運用がうまくいけば、あらかじめ受取額が確定している定額型の保険よりも受取額は多くなりますが、逆にうまくいかなかった場合には受取額は少なくなります。
変額保険には、保険期間が一定期間の有期型と一生涯の終身型があります。変額保険では、インフレに負けない資産運用が期待できます。株式相場が下落する、あるいは上昇しないデフレ期には、運用成績が悪くなると定額型の保険よりも保険料が割高になり、損になることもあります。
変額保険は、投資信託に保険の機能がプラスされたものともいえます。運用実績によって、将来受け取る保険金の金額が変動しますが、死亡保障は最低保証されています。ただし、満期保険金や解約返戻金には最低保証はありません。変額保険は、投資信託などの純粋な投資商品に比べ、死亡保障などの費用がかかる分、運用コストが高くなるということにも注意が必要です。
変額保険は上述のような特徴がありますので、運用リスクを一定の範囲で許容でき、長期的な視点での資産形成を考え、保障と資産形成を同時に確保したい人に向いていると考えられます。一方で、短期間で収益を獲得したい、元本割れや運用リスクに不安がある人には向いていないと考えられます。
貯蓄型生命保険で人気の保険会社ランキング(100名アンケート結果)
100名アンケートでは、どの保険会社の貯蓄型生命保険に加入しているかについても確認しました。回答が集まった保険会社を紹介します。
人気の保険会社ランキング
- 🥇1位 日本生命・・・18名
- 🥈2位 かんぽ生命・・・12名
- 🥉3位 明治安田生命・・・10名
- 🥉3位 住友生命・・・10名
- 5位 ソニー生命・・・9名
日本生命・かんぽ生命が上位に
回答が集まった保険会社を確認すると、日本生命・かんぽ生命が上位となりました。生命保険会社全体の売上でみても、上位の保険会社は契約保有数が多いので、納得の結果です。
FP型営業のソニー生命も高評価
また、意外なところでは保険会社の契約保有数では8位のソニー生命がランクインしていました。 ソニー生命はライフプランナーが顧客のライフプランにもとづいたアドバイスをしながら提案する営業スタイルの保険会社です。
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監修者の西海さんに聞いた🤔ランキングの保険会社の加入者が多い理由は?
株式会社マクロミル社の行ったアンケート結果によれば、加入した生命保険会社として最も選ばれているのが日本生命、次がかんぽ生命、以下明治安田生命、住友生命、ソニー生命という結果でした。
貯蓄型生命保険の加入にあたり、どの商品にするかをご自身で決める方もいらっしゃいますが、そのような方は金融商品に関する知識が豊富な一部の方であり、一般的には生命保険会社、代理店、FPなどに相談するケースが多いと考えられます。そう考えますと、規模の大きな生命保険会社の方が取扱商品の種類も多く、営業推進体制も強固なことから、このような結果になったと推測されます。
なお、ソニー生命については、ライフプランナーがライフプランに応じた個別適切なアドバイスを行うことから、その提案スタイルに共感し、上位にランクインしているものと考えられます。
貯蓄性のある保険商品のより詳しい仕組みを解説
ここまで貯蓄性のある保険商品についてそれぞれの説明をしましたが、加入を検討するならぜひ知っておきたい「貯蓄性のある保険商品」の仕組みをより深く解説します。
貯蓄型の保険料はどうやって決まる?三つの予定率(予定死亡率・予定事業費率・予定利率)
生命保険の保険料は、保険数理に基づいて、将来の支払い義務を適切に果たすために必要となる積立額を算出する過程で、以下の「三つの予定率」によって計算されます 。
1.予定死亡率
過去の統計をもとに男女別・年齢別の死亡者数を予測し、将来の保険金の支払いに充てるために、必要な保険料を算定する際に用いる死亡率のこと。
2.予定事業費率
生命保険会社は、人件費や販売コストなど、保険会社が運営上必要とする経費をあらかじめ見込んで保険料に組み込んでおり、その割合のこと。
3.予定利率
生命保険会社は、集めた保険料を運用することで、あらかじめ一定の運用収益を見込み、その分の保険料を割り引いており、その割引率のこと。
この三つの予定率を項目ごとにまとめました。
| 予定率 | 何に使う? | 変動リスク | リスクを負うのは |
|---|---|---|---|
| 予定死亡率 | 保障原価 (保険金原資) | 統計的死亡率の変化 公衆衛生・医療の変化 | 保険会社 |
| 予定事業費率 | 保険会社の運営経費 | 経営効率 人件費・販売費など | 保険会社 |
| 予定利率 | 保険料積立金の運用収益見込み | 市場金利の変化 運用結果 | 保険会社 (利回り保証リスク)* |
*変額保険の場合は【契約者】
返ってくるお金を左右するのは「予定利率」(よていりりつ)
三つの予定率のうち、「予定利率」は貯蓄型生命保険において重要なのでより詳しく解説します。
保険料計算において、将来の支払義務を現在価値に割り引く「割引率」として機能します。
終身保険などの貯蓄性のある生命保険は、契約者が支払う保険料の一部が保険会社によって長期的に運用されますので予定利率の影響が非常に大きくなります 。
この予定利率は、生命保険の契約者に約束する利回りです。予定利率は、保険会社によって公開方針が異なります。例えば、明治安田生命のように公式サイトで公表している会社もあれば、パンフレットやWebでは開示せず、契約時の設計書や担当者経由でのみ確認できる商品もあります。
そのため、加入を検討する際は、実際の予定利率を担当者やコールセンターで必ず確認することが重要です。
もう少しざっくり説明すると 保険会社は、お客さん(契約者)から集めた保険料をそのまま保管しておくのではなく、国債や株式などで運用して増やしています。
このとき、将来の支払い(たとえば満期保険金や死亡保険金)に必要なお金の一部は、運用によって増えることを見込んで、あらかじめ保険料を少し安くしているのです。
予定利率が高いとどうおトクになる?具体例で説明
たとえば、 「将来100万円支払う必要があるけれど、運用で2%増えると見込めるなら、今集めるのは100万円まるごとではなく、約90万円くらいで足りるだろう」という考え方です。
この「将来の運用でどれくらい増えるか」という見込みの利率を、何度も出てきていますが「予定利率」と呼びます。
予定利率が高いということは、「保険会社が運用でたくさん増やせる」と見込んでいる、ということになります。
そのため、 次のようなメリットがあります。
- 同じ保障内容でも「支払う保険料が安くなる」
- または「満期や解約時に戻ってくるお金(返戻率)」が高くなる
つまり、貯蓄性の保険(終身保険・養老保険など)では予定利率が高いほどおトクになりやすいのです。
貯蓄型生命保険はこんな人におすすめ
貯蓄型生命保険は、「保障を持ちながらお金を貯めたい人」や「銀行預金よりも計画的に積み立てたい人」に向いています。それぞれの保険には目的やリスクの取り方に違いがあるため、自分のライフプランに合ったタイプを選ぶことが大切です。
終身保険・養老保険・個人年金保険
これらの保険は貯蓄型生命保険で、保険会社が設定する「予定利率」に基づいて資産を安定的に積み立てていく仕組みです。
いずれも運用リスクを保険会社が負うため、契約時点で将来の受取金額が確定している点が特徴です。
終身保険・養老保険・個人年金保険
将来の物価高(インフレ)による資金価値の目減りするというデメリットを加味しても、「確実に貯めたい」「投資は苦手」という人へおすすめです。
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学資保険
学資保険は、子どもの教育資金を目的とした貯蓄型生命保険です。 中学・高校・大学の入学時期に合わせて「祝い金」や「満期金」を受け取れるよう設計されており、教育費のピークに合わせて計画的に資金を準備できます。
契約者に万一のことがあっても、保険料払込免除で保障が継続される安心設計になっており、教育資金の積み立てに向いています。
学資保険
将来の物価高によって受取額の実質価値が目減りする「インフレリスク」を勘案しても、「子どもの教育費を計画的に積み立てたい」「貯金が苦手で自動的に貯めたい」方におすすめです。
外貨建て終身保険・変額終身保険
外貨建て終身保険は、為替レートや海外金利を活用してリターンを狙うタイプ。変額終身保険は、株式や債券などの運用実績に応じて資産が変動するタイプです。
外貨建て終身保険・変額終身保険
これらの保険は、「保障機能はもちつつ、金利差や運用のメリットを生かして資産を増やしたい」「預金だけでは物足りない」という人に向いています。
貯蓄型生命保険の比較表
ここまで説明してきた貯蓄型生命保険の重要な仕組みの違いを項目別に比較評価しました。 おなじ貯蓄型といっても終身保険・養老保険・個人年金保険は安全性が高い一方で将来の物価高による金銭価値の目減りというリスクがあります。
| 商品 | 運用リスクの所在 | 利率保証 | 収益性の上限 | 安全性の 相対評価 | 将来の増加余地* 相対評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 終身保険 | 保険会社 (金利・運用) | あり (予定利率) | あり (予定利率) | 高い | 低い |
| 養老保険 | 保険会社 (金利・運用) | あり (予定利率) | あり (予定利率) | 高い | 低い |
| 個人年金保険 | 保険会社 (金利・運用) | あり (予定利率) | あり (予定利率) | 高い | 低い |
| 外貨建て保険 | 契約者 (為替リスク) 保険会社 (外貨金利) | あり (外貨ベース) | 外貨金利水準 | 中程度 | 中程度 |
| 変額保険 | 契約者 (投資リスク) | なし (最低保証を除く) | なし (市場連動) | 低い 〜中程度 | 高い |
*運用成果によって返戻金・保険金が増える度合い
まとめ|貯蓄型生命保険ランキングで見えてきた選び方のポイント
貯蓄性保険は、単にお金を積み立てる手段ではなく、将来の不確実性に備えるためのツールでもあります。
どの程度の「安全・確実性」を求めるのか、どの程度「資産が増える可能性」を追求するのか。このバランスの取り方が、貯蓄性保険選びで重要なポイントになります。
たとえば、終身保険は「長期の安心」を重視する人に、変額保険は「運用成績によるリターン」を重視する人に適しています。 外貨建て保険は、為替リスクを取りつつも通貨分散によるメリットを狙う選択肢として注目されています。
市場の変化が大きい今だからこそ、自分の価値観とライフプランに合ったリスク・リターン設計を意識してみましょう。

