米価高騰が止まらない!備蓄米はどこへ?16週連続値上がりの背景と今すぐできる対策

お米の価格上昇が止まりません。2025年5月1日現在、16週連続の値上がりを記録しており、この先も価格の上昇が予想されています。3月から備蓄米も放出されているにもかかわらず、なぜ毎週価格が上昇するのでしょうか。
今回のコラムでは、米の価格上昇に関するニュースをまとめ、なぜ米の価格が上昇し続けているのかを解説します。記事の後半では筆者が実践している米の価格上昇対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ニュースの概要
備蓄米の放出が始まってからも、米の値上げは止まることを知りません。4月14日から4月20日の平均価格は5kgあたり4,220円となっており、16週連続で値上がりしています。
3月に落札された備蓄米およそ21万トンのうち、4月13日までに小売店へ届いたのは4,179トンと、全体の約2%でした。備蓄米が入荷しても1日で売れてしまうスーパーもあり、価格の下落を促すほどの効果は出ていません。
これまでの米の販売価格推移

引用元ːNHK│コメ不足感「改善せず」 スーパーの平均価格は5キロ4220円に
米の販売価格は、16週連続で値上がりしています。4月14日から20日の販売価格は4,220円で、対前週3円の値上がりです。対前年の同じ時期と比較すると倍以上の価格になっていることからも、異常事態が続いているとわかるでしょう。
備蓄米はどこへ行ったのか?
備蓄米の大半は、JAなどの集荷業者から卸売業者へ流通する間で止まっています。実際の流通ルートと、現状の流通量を確認してみましょう。
【備蓄米の流通ルートと流通状況】
- 備蓄米放出 JAなどの集荷業者
- 卸売業者(全体の約10%)
- スーパーなどの小売店(全体の約2%)
- 消費者の手元へ届く
これまで、備蓄米は3度入札され、2度放出されています。放出されているのは3月10日から12日に放出された約14万トンと、3月26日から28日に入札された約7万トン、合計21万トンです。そのうち、小売店へは4,179トン(約2%)しか届いていません。
JAによると、備蓄米のほとんどが消費者の手元に届かない理由は、配送トラックの手配にあると言われています。配送トラックを手配できず、精米に時間がかかっていると見解を示しています。また、業者間による取引価格の調整にも時間がかかっているようです。
今後も夏までは毎月備蓄米の放出が予定されています。しかし、流通が滞るようであれば、私たちの手元に届くまでにはしばらく時間がかかるでしょう。
米価下落の見通しはいまだ立たず
2025年5月1日現在、米の価格が下落する見通しは立っていません。生産量の増加や、備蓄米による供給の安定化などの報告はありませんでした。
それだけでなく、今後も小売店に並ぶ米の価格が高くなることが予想されます。一部の小売店では、卸売業者から「5月から米の納入価格を上げる」と言われているようです。私たち消費者は、今後も値上がりする米を買いながらの生活が続くでしょう。
一般的に、新米が販売されるのは8月から10月の初秋です。それまでは米の在庫がなくならないようにするため、「1家族1つまで」などと購入数に制限をかけながらの販売となるでしょう。
今日からできる米の値段が下がるまでの対処法
多くの家庭では米が主食になっていることから、「値上がりしていても買うしかない」状況になっているのではないでしょうか。そこで、米の値段が下がるまでに今日からできる対処法を4つ紹介します。
ふるさと納税で米の定期便を購入する

引用元:さとふる公式サイト
近くのスーパーに米が並ばない方は、ふるさと納税を活用しましょう。ふるさと納税には米の定期便が用意されており、寄付をすれば一定の期間で米が届きます。
ふるさと納税とは、自分が支払うべき税金を任意の自治体に納めて、税金の控除や還付を受ける制度のことです。納めた金額の3割相当の返礼品をもらえるため、そのまま税金を納めるよりもお得な制度となっています。
筆者はスーパーに米が並ばなくなってからは、ふるさと納税での購入にシフトしました。以前に比べて米の寄付金額は高くなっていますが、本来納めるべき税金の範囲内であれば決して損にはなりません。
また、定期便であれば、大量のストックを家に保管しなくても良く、家のスペースを圧迫させずにお米を確保できます。
まだふるさと納税をしていない方は、令和の米騒動を機に始めてみてください。各ふるさと納税サイトにあるシミュレーション機能を活用し、納めるべき税金の範囲内でお米の定期便を購入してみましょう。
炊き込みご飯で米自体の消費量を抑える
炊き込みご飯を作り、白米だけを食べるスタイルを減らすのも効果的です。炊き込みご飯なら炊飯器に入れる具材が増えるため、結果的に1回に炊飯する米の総量を減らせます。
3合炊きの炊飯器であれば、炊き込みご飯で入れられるお米はせいぜい2合分程度でしょう。仮に週3回炊いた場合、4週間で12合分のお米を節約できます。
実際に筆者もお米の値上げが報じられてからは、炊き込みご飯の頻度を増やしました。白米だけだと少しのおかずでドカドカ食べてしまいますが、野菜や肉を一緒に炊くことで、米の消費量は抑えられています。炊いても硬い食感が残る根菜を入れると、同じ量を食べていてもすぐお腹いっぱいになりますね。
おかずをメインにする
お米をよく食べる方は、おかずメインの食事に切り替えるのも選択肢の一つです。例えば具材いっぱいのお味噌汁を作り、お鍋のように食べるとそれだけでお腹を満たせます。メインのお味噌汁を食べながら、ご飯を頬張るのも良いでしょう。
最近まで1玉400円ほどだったキャベツも、今では100円代で買えるようになりました。大量消費しやすい野菜が低価格で買えるようになっているので、おかずをメインにする食べ方も検討してみてはいかがでしょうか。
相場よりも安い野菜がわからない方は、農林水産省が発表している「今週のお手頃野菜」をチェックしてみましょう。安く買える野菜を毎週表にまとめているため、相場がわからない方も損せずに野菜を購入できます。

引用元:農林水産省|今週のお手頃野菜(令和7年4月25日更新)
ChatGPTにお米を使わない献立を考えてもらう
「自分で考えると、どうしてもお米を使う献立になる」という方は、ChatGPTに献立を考えてもらいましょう。献立を考える手間を省きながら、自分では思いつかないようなお米を節約できる献立を考えられます。
使い方がわからない方のために、筆者がChatGPTを活用して献立を考えてもらいました。その結果が以下の画像です。
【ChatGPTに献立を考えてもらった結果】
まずは、以下のように家族構成と米を食べる頻度を指定しました。

その結果、以下のような献立を考えてくれました。

購入すべき食材もリストにまとめてもらうよう指示したところ、以下のようなリストを作成してくれました。
このように、ざっくりとした指示でもお米を使わない献立を考えてくれます。より細かく条件を指定したい方は、調理時間や冷蔵庫に入っている食材、家族の好きな料理などを指定すると、今の状況にあった献立を作成してくれるでしょう。
米の価格上昇はまだ続く。できる対策をしながら家計の負担を抑えよう
これからもしばらくは米の価格上昇は続きます。多くの家庭の主食である以上、家計への負担は逃れられません。できる対策を講じながら、価格が下落するのを待つ必要があります。
記事内で紹介した中で最もおすすめなのは、ふるさと納税を活用した対策です。これまでただ支払っていた税金を、お米を買うための資金に充てられます。まだふるさと納税をしていない方は、1日でも早く始めることをおすすめします。
参考ニュース
- NHKニュース│ コメ不足感「改善せず」 スーパーの平均価格は5キロ4220円に
- NHKニュース│ 3月に落札の備蓄米 消費現場に届いた量 全体の1.9% 農水省